料理のお味は？ ページ6
「A？」
「じ、ジニー！？」
モリーに手当てしてもらった絆創膏塗れの手を眺めながら、台所でしょんぼりとしていたAに後ろから声をかけてきたのはジニーだった。背後からいきなり現れた彼女にAはびくりと跳ね上がる。
「どうしたのA？落ち込んでるの？」
「大丈夫よ、なんでもない」
「でも、その手………」
もはや肌が見えてる部分が半分ほどになってしまった―――そんな手をジニーに指さされAは慌ててその手を背中に隠した。しかし「まさか、フレッド！？」とあらぬ方向に想像を働かせるジニーにAは急いで否定する。
「ち、違う！」
「じゃあ何？」
「それは………あの、」
「？」
「料理をね、」
「料理を、しようとしたんだけど。私、どうも向いていないみたい」
役立たずだね、と零すAは思ったより深く落ち込んでいるようで、ジニーは心配そうに首を傾げた。
「なんでいきなり料理なの？Aはお家のことたくさん手伝ってくれてたじゃない。ママも助かるって」
「え、その、気分よ、」
「本当に？」
「ほ、本当―――」
「いーーーーや、嘘だな」
「他に理由がある、だろ？」
「ふ、フレッド！？ジョージ！いつのまに―――！」
モリーに頼まれて庭で畑作業をしていたはずの双子が、いつのまにか背後に現れたことでAの心臓は大きく跳ねた。ジニーといい双子といい、ウィーズリー一家の子供は吃驚要素が多すぎる。そんな思考が一瞬Aの頭をよぎったものの、次に続く双子の発言がその思考を即座に塗り替える。
「さぁ教えてくれA、そんなに料理にこだわる理由はなんだい？」
「あの負けず嫌いのAが、一回の失敗でそんなしょんぼりしちまう理由を教えてくれ」
「そ、そんな、理由なんて―――」
「「いーや！何かあるだろ？」」
両側から覗かれてAの顔は真っ赤に染まった。羞恥からではない、図星だからだ。助けを求めるためにジニーをちらりと見遣るもののジニーの顔すらも心配二割、好奇心八割で輝いている。Aはがくりと肩を落とした。味方なんてこの場にはいないのだ。
六つの目に囲まれながら、Aはゆっくりと口を開く。
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ぴ - 2日で全部一気読みしてしまいました！！とっても面白いので続きが気になります……！気長に続きが出るのを待ってます！ (1月24日 1時) (
レス) @page9 id: dc02608dcd (このIDを非表示/違反報告)
きいろ(プロフ) - はじめまして。コメント読んでいただけているのか分かりませんが、今後更新予定はあるのでしょうか…？ハリポタ熱が再来してこのお話しを見つけて続きが気になって気になって…。再開してくれたらとても嬉しいなと思います。 (11月16日 20時) (レス) id: e613259d79 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐 - 一気に読んでしまいました！！更新がしばらくされてないようですが、いつか続きが読めるのを楽しみにしています！ (7月24日 12時) (レス) @page9 id: 6b8bf9aeed (このIDを非表示/違反報告)
そそそ(プロフ) - しながら、ここまで密度の濃い作品を作ってくださり本当にありがとうございます。本当に出会えてよかったです。感想が長くなりましたが、素敵な作品を作ってくださりありがとうございます。 (2023年1月13日 2時) (レス) id: a2e4d3c082 (このIDを非表示/違反報告)
そそそ(プロフ) - ます。更に、原作への知識が深いところも凄く好きなところです…まだ序盤と仰っていたので、本当に続きが楽しみで仕方がないです。ですが背負われすぎずに、本当に気が向いた時でいいので、いつかこのコメントを見つけていただけたら嬉しいです。生活と並行 (2023年1月13日 2時) (レス) id: a2e4d3c082 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：への | 作成日時：2022年7月6日 23時
