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土曜、10:30、時計台下


待ち合わせ時間の30分前に着いた俺は、時計台が見える小さなカフェに入る


ブラックコーヒーのホットを頼み、読みかけの持ってきた本を開く


ジャンルはミステリーや推理に分類されるもの


読みかけとはいったものの、
何度も読んでいるこの本の表現技法も、登場人物も、台詞も全て覚えている





『(俺は、お前を許さない)』

ー俺は、お前を許さないー




『(違う)』

ー違うー



『(許したくても、許せないんだ)』

ー許したくても、許せないんだー



『(俺は、所詮器の小さな男なんだ)』

ー俺は、所詮器の小さな男なんだー



『(彼を睨み付けるA。ー)』
『(でも、その鋭い瞳を自分自身に向けているようにも見える)』

ー彼を睨み付けるA。ー
ーでも、その鋭い瞳を自分自身に向けているようにも見える





96「お!Aくん見つけたで!」

『!...もう時間か』


96猫の声に顔をあげれば、目の前にまふまふと96猫


窓の外を見るもう全員揃っていた


カップに少し残った珈琲を飲み干し、会計を済ませて外に出る


『ごめん。お待たせしました』

sn「全然大丈夫ですよ。ほな、いきましょうか」


少し大きめのボディバッグに本を入れ歩きだす


sr「なんの本読んでたの?」

『小学生みたいな奴が書いた文才の欠片もない小説です』


いつの間にか隣に居たそらる先輩が俺を覗き混む


ぶっきらぼうに言い放つ俺の言葉に気付かないようにそらる先輩は話を続ける


sr「小学生みたい?」

『友達だったやつが書いた小説なんですよ。完結してないのに渡されたんで』




ー終わってないけど感想聞かせろよ!ー

ー自分勝手やな〜。せめて終わらせろよwー

ー中途半端!それが俺や!wー




それを話したのはいつだったか


下らない罪滅ぼしのためにずっと持ったままの小説に、
自分なりの終わりを入れる度に違和感が溢れる


違う、あいつなら、あいつならもっと


そんな馬鹿みたいな妄想を考えても


結末を知ってるのはこの世でただ一人


その後はたあいもない世間話でその場を繋いだ

3→←1



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No.(プロフ) - あいわな=あるてのちゃんさん» ちなみに、リア友のお陰でほぼ全員の名前は決まっておるのじゃよw (2020年7月3日 22時) (レス) id: 1df1dfad55 (このIDを非表示/違反報告)
No.(プロフ) - あいわな=あるてのちゃんさん» これ俺のリア友に考えて持ったやつやでw俺も聞いた瞬間ビビったwww (2020年7月3日 22時) (レス) id: 1df1dfad55 (このIDを非表示/違反報告)
あいわな=あるてのちゃん - 96ちゃんと月は考えてね← てかごじ、8の最初。聞いてきまふまふになってる← (2020年7月3日 21時) (レス) id: 7f877cb593 (このIDを非表示/違反報告)
あいわな=あるてのちゃん - ここまで来たら他のもかしたるわwww (2020年7月3日 21時) (レス) id: 7f877cb593 (このIDを非表示/違反報告)
あいわな=あるてのちゃん - 吹雪真冬とっwww一ノ瀬空てwwwパクったしか考えられるかwww (2020年7月3日 21時) (レス) id: 7f877cb593 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:-No.- | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年6月27日 0時

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