サイトウ、明日帰るってよ ページ4
夜、10時過ぎ。
夕食を終え片付けを済ませ、外で一度だけポケモンバトルをしてあとはずっとテレビを見たり話したりしていた。
今は寝室に移動して、床に布団を敷こうとしていたところ。
「リンドウさん。……一緒に、寝ましょう」
『……別にいいけど、急だね』
サイトウの提案で布団を敷くのはなしにする。
ベッドに腰掛けて、その隣にサイトウが座るとサイトウはゆっくりこちらに体を預けてくる。
「人目が無い場所で会えなくなりますから」
『あー、確かに。今度はリンドウだってバレちゃうかもね』
「正直バレてもいいんですけどね。隠すような疚しいことなんてないですし」
『ま、気にしなくていいか。……俺もただの観客にしかなれないから会いに行けるかはわかんないけど、見には行く』
「私がいなくてもちゃんとご飯食べて寝てくださいね」
『努力はする』
寝ましょうか、と部屋の電気を消しに立ち戻ってきたサイトウがベッドに潜り込んだのを見て俺もサイトウの隣へ移動する。
その時、スマホロトムの通知が点滅した。
『……なんだ』
知らせていたのは着信。
枕元に座って足だけを布団に潜り込ませ、通話を始める。
〔あ、夜中にごめんね? 寝てた?〕
『寝るところでした。どうしたんですかソニアさんこんな夜中に』
〔キミから預かってたタマゴが孵ったからさ〕
『あー』
〔いやでもごめんね! サイトウさんと二人なんでしょ邪魔しちゃった!〕
『ああいえ、お気になさらず』
隣で寝転がって俺を見上げてくるサイトウの頭を撫でる。
ふわふわ。楽しい。
『明日引き取りにいきますね。ソニアさん明日はどちらに?』
〔ラテラルタウン〕
『了解です。じゃあジム前でいいですかね』
〔うん! 邪魔してほんとごめんね! じゃ!〕
ぶつり。
『ソニアさんが来るってことは……』
「ジムチャレンジャーもすぐに来ますね」
『夜ふかし厳禁だなあ』
「……しませんよ、夜ふかし」
『しないしない。さすがにね』
寝る前に時計を見たら日付が変わる直前だった。
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作者名:無名 | 作成日時:2019年12月3日 4時