顔バレするなら自宅にいればいいじゃない ページ2
ぱぁ、と弾ける光のように眩しい笑顔。
自宅なので誰かに見られたりリーグカードにされるような写真に撮られることもない空間で、サイトウの笑顔が炸裂した。
彼女の目の前には焼きたてのカップケーキとフルーツパフェ。二つとも二人で作ったもので、知名度が高くスイーツを食べに行けば人に囲まれスイーツにたどり着けないサイトウにとって、変装せずにスイーツを食べるのには一番いい手段だ。
『キバナさんたちに自慢したい……』
「写真とりましょう写真」
スマホロトムで写真を撮ってキバナさんに送りつける。
あとついでに楽しそうに写真を撮ってるサイトウをビデオに収めることにした。
うっきうきで撮った写真を誰かに送っているサイトウ。超ニッコニコ。可愛いね。
『誰に送ったの』
「ルリナさんに。リンドウさんは誰に送ったんですか?」
『キバナさん。さ、食べよ』
「はい!」
自作のいいところとして、人に囲まれないのもあるけど外だと笑顔隠そうとしたりするから見れることがあげられる。
カップケーキに手を付け頬張るサイトウ。
「……食べますか」
『ちょーだい』
「はい、あー」
『ん。んー! 美味いねえ』
「とてもおいしいです」
「……あんたら、物音に気づきなさいよ」
「ん"っっ」
『はい紅茶。気づいてたけど鍵持ってるのルリナくらいじゃん』
「……サイトウがいてなんで私に渡すのよ」
『サイトウ曰く』
「リンドウさんは目を離すとすぐ身体壊すので家近いルリナさんに様子を見ていただきたくて」
「それはもちろん。今日もそうだしこれまで通りだしね」
『その説はお世話になっております』
「……ルリナさん、食べますか」
サイトウが止めていた手を動かしてルリナにカップケーキを掬ったスプーンを差し出した。
かぷり、とカップケーキを口に入れたルリナは咀嚼し、ゆっくり飲み込んだ。
「美味しい……」
「ですよね!」
『美味いよなあこれ。サイトウもっかい』
「はい」
同じスプーンを回していることは気にするほうがアホだ。
もう慣れたっていう話だが。
「そう、ジムチャレンジャーが一つ目のジムを突破したらしいわ」
『早くない?』
「早いですね……。私も近々戻らないと」
「で、リンドウはまたフェアリージムの勧誘が」
『サーナイトを愛してるだけだからごめんなさいって』
「伝えておくわ……」
ルリナは帰っていき、サイトウはパフェに手を付けていた。
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作者名:無名 | 作成日時:2019年12月3日 4時