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「なあ、どしたの?」



「………じ、実は…」



「?」



『(つ、ついに言ってしまうの!?)』



汗を垂らしながらついにおそ松に正直に話すのかと
ハイ松はゴクリと生唾を飲み込みながら見守る。

…しかし。



「フッ。風邪だと言っただろ?少し熱があるのかもしれない」



「あー、なるほどね…」



『あは…。なるほど、なるほど…』



自分のプライドが勝ったせいかやはり簡単には言えず、
おそ松は一松の嘘に納得してハイ松は苦笑いをして、
気まずそうに一松を見ていた。



「(言えなーい!言えるわけなーい!
てか今ここで正直に言えるくらいならもうとっくに言ってる!
友達も出来ているーっ!!!)」



「じゃあ、身体冷えるから脱いだ方が…」



「え!?いいいいや、大丈夫だから…」



心の中で嘆いていると気を効かせたのかおそ松が
革ジャンを脱ぐように声をかけるがもし脱いだらバレてしまうので
一松は慌てて革ジャンを守るようにして立つ。



「大丈夫じゃないよ!」



「大丈夫!」



「その汗だよ?」



「良いって!」



「身体冷えるから…」



「嫌だ!」



「なんで!?」



「恥ずかしい!」



「なんで恥ずかしいんだよ!」



『ちょ、ちょっと二人共落ち着いて…!
カラま……一松が寝てるんだから…!』



二人が革ジャンを脱ぐ、脱がないで論争をしていると、
微かだが唸っていたカラ松を見てハイ松は慌てて二人を静める。
しかし、二人はハイ松の言葉を聞きやしなかった。

一松に至ってはおそ松の問いに必死に考えているのだ。
そして、出した答えというのが…。



「………俺は…。






─お前が好きなんだよ!」



「『………え?』」



誰も予想していなかった一松の回答におそ松はドン引きした顔を見せ、
ハイ松も若干引いた顔で複雑そうに一松を見ていた。



「最近そっちに目覚めたんだ…。だから、お前の前で薄着になんかなったら…」



『(随分思い切っちゃったよ一松!
それで勝手にゲイにされてるカラ松兄さんが一番の被害者なんだけど!?
これでおそ松兄さんとカラ松兄さんの仲が拗れたら、
僕は一体どうしたら良いの!?全く分からないんだけど!)』



「いや…嘘でしょ…?」



「嘘じゃないわよ…」



ガチトーンでおそ松が尋ねると一松は顔を赤らめて、
内股になってぶりっ子のようなポーズをとる。

おそ松は更にドン引きして一松から離れた。
男、しかも兄弟相手に好意を持たれていたことが問題だったらしい。

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作者名:びた一 x他1人 | 作成日時:2022年8月12日 12時

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