人間嫌いな人魚のお話。 (ページ21)

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・Twenty ページ21

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Aが次の寮の
サバナクローに行ってみると

そこにはユウとグリムの姿があった

マジフトの練習をしているということは
ユウとグリムはサバナクローの

朝練に付き合わされたと言う事だろう

学園の色んな情報を持っている
Aにとっては、全然驚かない光景だ

Aはベンチに座りながら
ユウたちをジッと眺めていた

＿＿＿＿＿＿＿＿

先程まで朝だった筈が、
今はもうお昼時。

食堂で頼んだパスタを食べながら

アズールの事を話していた
ユウ達の観察をするA

あのアズールとの契約を話したユウは
ラギーに「ご愁傷様」と言われて

Aは少し吹き出してしまった

「どうした？」

突然吹き出したAに
一緒にお昼を食べていたシルバーに

心配？をされ、
Aは咳払いをして

『ううん、何でもないよ』と笑って返した。

＿＿＿＿＿＿＿＿

時は流れて、鏡の間にいる。

ユウ達を観察していると、
あの魔法薬を飲んで

咳き込んでいる彼らを見て
Aは溜め息を吐いた。

そして、珊瑚の海へ行った
ユウ達を見て、Aは少し躊躇ったが

Aも後を追って
珊瑚の海へと行った。

「おっ……なにか見えてきた」

「あれ、アトランティカ記念博物館じゃね？」

「ふなっ！足が魚みてぇになってるヤツらが
いっぱいいるんだゾ」

「人魚……か？
マジで水の中で生活してる奴らがいるなんて」

グリムの反応にAは思わず
クスリと笑ってしまう。

ここは珊瑚の海は自分の故郷なのだから、
自分と同じ人魚が居て当たり前だろう。

とAはそう思っていた。

これなら、すぐに写真を持って行って
アズールとの勝負に勝つだろうと

心の何処かでホッとしていた
Aは観察するのをやめるのか、

鏡の間に行って、
寮に帰ろうとしたその時だった。

いきなり、大きな2つの影が
ユウ達の前に来たのが見えた。

『(まさか……)』

何かを察したのか、
Aは冷や汗を垂らしながら

チラリと視線を移した。

「あ〜〜〜〜♡
きたきた、小エビちゃんたち」

「ごきげんよう、みなさん
いかがです？海底の世界は」

「この声は……そっくり兄弟！」

「正解で〜す」

と姿を現したのは人間の姿のではなく、
完全な人魚の姿な双子がいた。

勿論、ユウたちは2人を見て驚いていて、
Aは予想外の展開だったのか、

「フフ」とまた笑って、
もう用は無いかと思ったのか、

鏡の間に戻ってしまった。