君の隣の特等席 Ⅱ【knmt】 (ページ10)

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「っ！！！…ごめん！！なんでもないから！」

そう焦って再び立ち上がるA。

ﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝ

玄関の扉を強く叩く音が部屋に響く。

その音にみんなびっくりしてるが､1番はAだった。

ｶﾀｶﾀと震え今にでも泣いてしまいそうだった。

「Aちゃ〜ん？？？いるんでしょ？？お部屋に沢山お友達連れてきてたねぇ〜」

いかにもな男の声が聞こえる。

その声にAの体の震えが増した。

「男もいたねぇ〜？？僕以外の男が必要なの？？」

Aが喋ろうと口を開いたので､俺はその口を塞ぎAと目を合わせ首を横に振る。

「無視かぁ〜酷いなぁ〜」

そう言って去っていく男。

「みんな…こわい思いさせちゃってごめんね…」

こんなことがあってもなお、俺達に無理に微笑みかけるA。

『いつからだ。』

俺はすかさず聞いた。

「なにが…？？」

『いつからだって聞いてんだよ！！！』

思わず大きな声を出してしまい､叶に止められる。

「葛葉､Aに大きな声出したって意味ないでしょ。」

『大事な同期が被害にあってんのに「あぁ。そうですか。」で終わらせれるわけねぇだろ！！』

俺がそう言うと､笹木や椎名､姉ちゃんやリリム､ばねきも頷いた。

「せやで！！Aがこんなに震えとるのに見なかったことになんて､ウチできひんぞ！！！」

「ひまだって見過ごせないからね！！！」

そうみんなが言い出すとAはペタンと地べたに座り込んだ。

「みんなぁ〜」

そうして泣き始めた。