歌い手病院『市立海の街病院小児科病棟』 (ページ9)

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ー夢主sideー

麻酔が切れて目が覚めたのは、午後６時。

天「お目覚めですか。」

あ「お目覚めです。」

天月に点滴を変えてもらい、話を聞く。

天「アケビ。あのさ、検査したらアレルギーがあったんだよね。」

なんか、心当たりがある。狸がいいな。

天「動物の毛なんだけど。」

あ「ふ～ん。」

天「これから、やまだぬきと遊べなくなるけど・・・」

あ「いいよ、別に。好きじゃないし・・・」

？「失礼しまーす。お、アケビ起きてたんだ。」

部屋に入って来たのは、うらたん？おっきい袋なんて持って、どうしたんだろう。

う「これ、やまだぬきの人形作ったんだ！」

あ「じょうずだね・・・」

う「嫌いじゃないでしょ、喘息が出るから嫌いってことにして近づかなかったんでしょ？」

そうだよ。図星だよ。先生って生き物は何でもわかるんだね。

あ「なんでもわかるんだね。」

う「精神科なめないでね？」

そっか、うらたんは精神科か・・・

天「今日はもう休みな・・・？」

あ「うん・・・」

翌日

ま「なにその人形？やまだぬき？」

あ「うん、うらたんがくれたの！」

うらやましそうに、やまだぬきの人形を見つめてる。
天月にちょっとお使いでもたのもうかな・・・

あ「天月？このメモに書いてあるもの買ってきてほしいんだけど・・・」

ー天月sideー

メモに書かれていたのは、

・白い布
・綿
・黒の刺繍糸
・赤いリボン
・ピンクのフェルト
・裁縫セット
・黄色、茶色のフェルト

こんなものなにに使うんだろう。

全部、封を開けてアケビに渡すと、カーテンを閉めてしまった。

１０分後カーテンが開くと、白い大きなテルテル坊主と羊のぬいぐるみをかかえたアケビが居た。

あ「はい、まふ。『まふてる』だよ。こっちは天月。『政宗』だよ。」

ずっと病院にいるのに、どこで覚えたんだろう。
すっげぇかわいい。

あ「いつもありがと！」

あ「９６ちゃんとか店長君が教えてくれたの！」

今日も、海の街の小児科は晴天です。