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ーそらるsideー
そ「お前、落ち着いて聞いてられるか?」
正直怖かった。このことを伝えるのが。
ま「大丈夫。」
全部話した。会社の事から、まふが入院するまで。
・会社がブラックだったこと
・少ない給料でまふを育てたこと
・昔からまふが病弱だったこと
・親が会社を休むたびに暴力を振るわれたこと
・俺の元に相談に来ていたこと
・仕事が忙しくなりまふに構ってあげられなくなったこと
・会社を辞めようにも辞められなかったこと
・我慢しきれずに死んだこと
ま「そうだったんだ。教えてくれて、ありがとうございます。」
そ「おま、え。なんとも思わないの?」
まふがきょとんとしている。普通は、「なんで隠してたの?」とか「なんで教えてくれなかったの?」とかあるんだけど・・・
ま「そらるさんは、僕のことを考えて隠してたんでしょ?優しいなって思った。あとは、今なんにも隠さないで教えてくれたから嬉しい。」
マジかこいつ・・・良い奴すぎるだろ・・・
そ「やさ、しいんだなっ・・・おまえ・・・」
ま「そらるさん!?大丈夫?」
なんで俺、泣いてるんだよ。みっともねえな・・・
こんなときでも、まふは優しいんだ。
ま「そらるさん。」
まふが俺の涙を掬いながらしゃべる。
ま「一人で抱え込んじゃだめですよ?」
まったく、この年になって中学生に説教されるとはな・・・
今日も、海の街の小児科は晴天です。
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作者名:にょんこ0602 | 作成日時:2017年9月23日 21時