歌い手病院『市立海の街病院小児科病棟』 (ページ11)

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ー天月sideー

そらるさんが、ナースステーションに戻ってくるなり僕の元へやって来た。

そ「お前、まふが昼食い終わったら相手してやれ。」

天「いきなりどうしたんですか？」

そらるさんの方から言い出すとは思っていなかったので間抜けな声が出る。

なんか、ありそうだなぁ・・・

天「そらるさん、まふくんの事包み隠さず話しなさい！」

いきなりすぎたかな？めっちゃオドオドしてるし・・・

そ「まふの親が昔働いてた会社の社長が逃げてる。それで人も死んでる。ニュースで毎日やってんだよ。」

天「つまり・・・？」

そ「捕まり次第、特番が組まれるはずだ。結構お偉いさんだったまふの親にも触れるだろ。ちっちゃかったまふには、事故で死んだことになってるから、このことを知ったら・・・どうなるかわかるだろ？そういうことだよ。」

淡々と冷静に話してるが、内心焦っているだろう。でも、短い言葉の中には重大なことが入っている。

もう、物事を判断できる年齢だ。まふくんが分かったら何をしでかすか・・・

天「わかりました。気を付けておきます。」

まふくんに何か、暇をつぶせるものを渡してみようかな。

ガラガラ
天「お～い！暇してそうだから、遊びにきたよ～！」

96「天月！相手してや！」

あ「ひまなんだけど！」

ろ「遊びたい・・・！」

ま「もう、部屋の中飽きた！」

やっぱり、暇だよね。体力も有り余っちゃってるみたいだし・・・
そうだ！ここの４階の会議室に行こう！この部屋５階だし階段で行くか！
会議室なら防音だし、歌詞さんにギターでも借りようかな？

天「みんな、歌を歌いに行こう！」

皆「やったぁ～！」

一度、歌詞さんのところへ寄る。

天「歌詞さんギター２本ありますか？」

歌「天月君には、僕のエレキ。もう１本はアコギでいい？」

たまに、他の子に弾いてあげるらしく２本のギターが簡単にでてきた。

会議室に入り、カギを閉める。

みんなのリクエストに応えてギターを弾く。

天「まふくんもひいてみる？」

ま「いいの！？」

まふくんにギターを貸すと、「こうかな？」とかいいながら
上手に弾いている。

天「まふくん、上手だね。」

ま「えへへ。天月君のみてたら引けたよ！」

まふくんのギターに合わせて、みんなが歌う。

ろんちゃんはかわいいし、９６ちゃんはかっこいい。アケビは、声色をうまいこと変えて歌っている。

天「よし、帰ろうか！」

ま「天月君、あとでいい？」