Jeanne22. ページ22
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二人の永遠に縮まらない距離が浮き彫りになった。
ほんの少しだけ距離の近い平行線が途切れるまで
ただただ伸び続けるだけ。
___重なる事は永遠にないし化学変化も起こらない。
「____全ては、あの子のためだよ」
否定し続けなければならない淡雪の滲む心は
どうしたって重ならない。
1つ言葉を口にして向き合えば、何もかも変えられるのにそれが重い。
___だから二人は嘘をつく。
1人は嫌いだと彼に罵って。
もう1人は自分自身に嘘をついて。
「太宰さんはこれでいいんですか…本当に」
一生会えない覚悟を決めてやっとの思いで
自分自身に会いに来た17の少女に。
どうしたって美しい二人の平行線は__
「____」
彼は無言のまま微かな微笑を浮かべた。
それが、太宰さんの返答だった。
+
____きっと全て首領の思い通りになっていた。
そう、こんな現実を私の体に、
脳味噌に染み込ませるために。叩きつけるために。
2度と私が外に出ようなんて思わないように…。
-地下-
天井から伸びる鎖は白雪色の肌を持つ手首に
繋がれている。
肌よりも白い髪が乱れ重力に従いだらりと垂れている。
気絶しているのか膝を折り曲げて動かない。
__探偵社への裏切り行為が原因で
Aは罰を受けていた。
一時間前鞭打ちをされたその体。
赤い血が飛び散り悲鳴が部屋に響いていた。
____それはリンチだった。
マフィアの首領が彼女にほんの少しだけ見せた
淡い期待を。
そんなものはなかったのだと飲み込ませるための、
最初から仕組まれた彼女への罰。
罪の名前はたった二文字___
血の匂いと少女の芳香が混ざる。
最強の惚れ薬の完成と言っていいほど
酔わされる香り__
「___哀れな娘だ」
歩み寄った男は芥川だった。彼は強烈な香りを防ぐガスマスクを装着し力尽きた少女を見下ろす。
蝶のくせに花に焦がれ自分の血の一滴さえ捧げても
後悔しない。
____それを人は愛だの恋だのと呼ぶ。
「____実にくだらぬ」
彼は歯を食いしばり異能力を発動させ少女の鎖を食いちぎった。外套はAを襲い壁に力強く叩きつけた。
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奥山乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します!私、逆ハー大好きなんで嬉しいです!無理せずに頑張ってくださいね! (2023年3月5日 19時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
初季(プロフ) - ちっぽけさん» あああああフラグ立っちゃたんですか(震え声)了解です!笑 (2018年3月1日 4時) (レス) id: 6dc40941cf (このIDを非表示/違反報告)
ちっぽけ(プロフ) - 初季さん» 最初はこの作品、フラグなしだったんですけどフラグがたってしまって…その時に頑張って回避しようとしてた言葉ですね笑 そうです、その言葉であってます汗 (2018年3月1日 1時) (レス) id: c64884f1ed (このIDを非表示/違反報告)
ちっぽけ(プロフ) - ショコラさん» ありがとうございます!(><) (2018年3月1日 1時) (レス) id: c64884f1ed (このIDを非表示/違反報告)
初季(プロフ) - こびぐすりとはび やくのことでしょうか…?フラグ防止でわざとだったらごめんなさい(><)面白くて大好きです!これからも頑張ってください! (2018年2月26日 0時) (レス) id: 6dc40941cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちっぽけ | 作成日時:2018年1月17日 0時