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小瀧side
俺は楽屋の雰囲気に耐えきれなくなり、楽屋をあとにした。
小瀧「守ってやるって言ったのに…Aのこと見てたはずやのに。」
俺はただ自分が無力なんやって今更気づいた。
今更気づいてももう遅いのに。
小瀧「どうなるんやろ」
独り言を言いながら行く宛もなく廊下を歩く。
すると、非常階段から話し声が聞こえた。
照明「ちょっとやりすぎたんじゃないの…?」
衣装「私だってまさか倒れるとまで思ってなかったわよ。」
照明「私たちがした嫌がらせだっていつバレてもおかしくないじゃないの…」
衣装「大丈夫よ。私たち以外にもきっとAに嫌がらせしてた人は沢山いるわよ。」
嫌がらせ?他にもたくさんいる?
俺の中で何かが切れた。
小瀧「…ことや。」
照明「こ、小瀧さん。お疲れさ…」
小瀧「どういうことやって聞いてんねん!Aに…俺たちのメンバーに何したんや!」
俺は持っていたペットボトルを床に叩きつけて怒鳴った。落ちたペットボトルはかなりの音を立てて転がっていく。
衣装「いや…その…」
小瀧「俺たちの大事なAに何したかって聞いてんねん!」
俺がスタッフの人に近づこうとした時、思いもよらん人に止められた。
藤井「望、やめとけって!」
小瀧「流星?なんで止めるねん!Aのこと傷つけたヤツらを…なんで…」
藤井「スタッフさんやぞ!」
ここまでして流星がスタッフさんをかばう理由がわからなかった。
藤井「すんません。すぐ行きますんで。」
小瀧「ちょ、おいやめろ!引きずるな!」
俺は引きずられるようにしてその場から離された。
小瀧「流星、お前悔しくないんかよ!Aにあんなことしたヤツらなんか…なんで…」
隣を歩く流星に我慢出来なくなり問いかけた。
藤井「俺だって悔しいよ!」
声を荒らげた流星を見て驚いた。
拳を握る手は小刻みに震えていて、今までで1番怖い顔をしてる。
小瀧「りゅう…せ?」
藤井「悔しいけど、俺たちはなんもできひんねん。今は無力やねん。でも、いつか…絶対にあいつらのこと後悔させたるねん。」
そう言って拳を緩めることなく、一歩一歩歩いていく流星。
その背中はいままでで1番大きく、逞しく見えた。
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あんず(プロフ) - つぐみさん» 第2作品目も書かせていただきましたので、べひ続編へどうぞ! (2018年2月15日 12時) (レス) id: 5484d1d8ff (このIDを非表示/違反報告)
つぐみ(プロフ) - 続編希望です。 (2018年2月15日 11時) (レス) id: f3677715b6 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - やさきみさん» ありがとうございます!続きを色々と考えている時間が私もすごく楽しいです!これからもバンバン更新していきますのでよかったら引き続き応援よろしくお願いします! (2018年2月11日 23時) (レス) id: 5484d1d8ff (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - はりぼうさん» はじめまして!お立ち寄りありがとうございます!違うジャンルを読む時にたまたま私の作品を読んでくださるなんてほんとに嬉しいです。涙まで…これからも頑張るのでよければ読み続けてください! (2018年2月11日 23時) (レス) id: 5484d1d8ff (このIDを非表示/違反報告)
やさきみ(プロフ) - いつも拝見させてもらってます!卒業発表のとき、オーラスのあとの話がすごく感動しました!続きが楽しみです!更新頑張ってください! (2018年2月11日 23時) (レス) id: 2b88adeffc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんず | 作成日時:2018年2月5日 19時