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Aside
マネ「じゃあ今日はここまでらしいから、明日は遅れずに来るように。解散!」
そう言われたのがついさっきのように感じる朝。Jr時代は楽しかったな…毎朝起きるのが楽しみで、みんなと競走することがワクワクで。
貴「用意するか…」
大方の準備が終わり、あとはもう家を出るだけ。そんな時にチャイムが鳴った。
ピーンポーン…
貴「はーい」
インターホンの通話画面を見ると、そこには望がだるそうな顔で立っていた。
小瀧「たまたま近く通ったから…一緒に行こや」
貴「うん!」
望はたまにこうやって迎えに来てくれる。
いつも、「たまたま」とか「近くに用事あって」とか理由つけるけど、その大体が嘘。
しっかり私の家に迎えに来てくれる。
貴「お待たせ…」
おっきい荷物を抱えて出て行くと、無言で荷物を車に乗せてくれる。
小瀧「ん。乗り…」
貴「ありがとね」
望の助手席は何故か落ち着く。
望とは年も近くて一番話しやすいはずやけど、普段はあんまり言葉を交わさない。だけど、それがまた安心できる。
貴「そろそろかな…」
ライブ会場に近づいてきた時、信号に引っかかって結構な時間車が止まっていた。
小瀧「なぁ。」
貴「ん?」
望が話しかけてきたことに驚きながらも返事をすると、意外な言葉をかけられた。
小瀧「辛いか。しんどいか。」
貴「っ…」
小瀧「大丈夫。俺は見てるから。Aの頑張りも、苦労も。俺はしっかり見てるからさ。」
私は言葉が出なかった。
堪えられなくなってただ隣で声を押し殺して、泣くことしか出来なかかった。
貴「ふ…ぅぅ…」
頭に望の大きな手が被さり、優しく撫でてくれた。そのあとに自分のかぶっていたキャップを私に深く被せてくれた。
小瀧「俺の前では無理せんでええからな。」
そう言って、車を発進させた。
私が泣いているのを止めもせず、慰めもせず、ただ黙って隣にいてくれた。
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あんず(プロフ) - つぐみさん» 第2作品目も書かせていただきましたので、べひ続編へどうぞ! (2018年2月15日 12時) (レス) id: 5484d1d8ff (このIDを非表示/違反報告)
つぐみ(プロフ) - 続編希望です。 (2018年2月15日 11時) (レス) id: f3677715b6 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - やさきみさん» ありがとうございます!続きを色々と考えている時間が私もすごく楽しいです!これからもバンバン更新していきますのでよかったら引き続き応援よろしくお願いします! (2018年2月11日 23時) (レス) id: 5484d1d8ff (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - はりぼうさん» はじめまして!お立ち寄りありがとうございます!違うジャンルを読む時にたまたま私の作品を読んでくださるなんてほんとに嬉しいです。涙まで…これからも頑張るのでよければ読み続けてください! (2018年2月11日 23時) (レス) id: 5484d1d8ff (このIDを非表示/違反報告)
やさきみ(プロフ) - いつも拝見させてもらってます!卒業発表のとき、オーラスのあとの話がすごく感動しました!続きが楽しみです!更新頑張ってください! (2018年2月11日 23時) (レス) id: 2b88adeffc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんず | 作成日時:2018年2月5日 19時