マイクを置いて。

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Aside





重たい体を起こし、顔を洗う。
今日はオーラス。大阪で最後を迎えられるって本望かもしれない。





貴「行ってきます。」





いつものようにお母さんの朝ごはんを食べて会場に向かう。
今日は電車。車っていう選択もあったけど、Jrの頃やデビューしたての頃によく使ってた道を歩きたくなったから。






貴「そっか。もう卒業したらこの道歩くことなくなるんだ…。」





私はその時、初めて卒業の重みを感じた。
神ちゃんと喋りながら帰った道。
途中からはしげも一緒やった。






貴「おはようございます〜」




会場に着くと関係者専用入口から入り、スタッフの人に挨拶する。
これも今日で終わる。このスタッフさん達とお仕事するのも、この廊下を歩くのも。






桐山「おっ！おはようさ〜ん」




貴「おはよ〜」





楽屋に着くとあっくんが髪の毛をセットしていたり、流星が寝てたり。しげが淳太くんにちょっかい出してたり。





貴「これで最後か…」




この光景を見るのも今日で最後。
みんなの素の姿を見るのも。





開演まで1時間。
私はスタッフさんに呼ばれてある部屋に通された。そこにはジャニーさんがいた。





貴「おはようございます」




ジャ「よかった。元気そうだね。さっき親御さんに会ったよ。今までありがとうございましたって挨拶された。」





貴「そうなんですか…」





ジャ「今日の公演は僕も見させてもらうからね。Youの最後の晴れ舞台だから。」



貴「頑張ります。」





ジャ「頑張るんだよ。」





そう言って私は部屋をあとにした。
楽屋に戻るともうみんな着替えていて、ヘアメイクも途中まで終わっていた。




中間「A、はよ着替えておいで〜」




貴「ハイハイ〜」





私は衣装を持ってカーテンで仕切られたところで着替えた。

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