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☆63 ページ4

藍沢 「14年前の胸髄損傷の時に頭蓋骨を骨折してる。その時の骨折線がSSSをオーダーしてる。」



新海 「たしかに小さな出血にも見えるな。だがこれだけでSSSからの出血を疑うのは考えすぎじゃないか?」



藍沢 「・・・そうか」



新海 「とは言っても、お前はもう俺の言うこと信じられないか。」



藍沢 「そんなことは無い。」



プルプル



藍沢 「どーした?」



ICU



雪村 「両角さん分かりますか?両角さん?」




雪村 「5分前に急に意識を失いました。サチュエーションも低下しています。」




新海 「瞳孔不同だ。脳出血もしているかもしれない。出血がお前通りなら止血は難しいな」




藍沢 「それでも頭を開けるしかない。挿管してオペ室に運ぼう」




藍沢 「SSS植上の頭蓋骨を残して開胸する。新海その骨にテッティングしてくれ」




新海 「わかった。多めにやる。もしダメなら8グラフト使う」



両角さんはオペ室に運ばれた



氷浦 「脳出血って?骨盤骨折だけじゃなかったの?ガーゼ」



雪村 「はい」



藍沢 「14年前の事故が原因だ。当時保たれていたSSSの癒着が今回の骨盤骨折の衝撃でで剥がれた」



氷浦 「え・・・?」



新海 「当時は幸い損傷部位が自然に塞がってたんです。」



氷浦「でも、SSSって事は・・・」



新海 「1度出血すると止めることはほぼ不可能です。」



雪村 「血圧低下しています。」



新海 「ダメだ・・・。やっぱり止まらない」



藍沢 「脳の前半分は諦めよう。モスキート」



新海 「・・・」



藍沢 「氷浦。トロラール部分避けて支えてくれ」



氷浦 「わかった。ジャシ」



雪村 「はい」



氷浦 「脳が腫れてきた」



新海 「内減圧する。マイクロクッパー」



雪村 「はい」


ピーピーピー
なった音と共に3人は下を向いた



新海 「このケースはやりようがない。仕方がなかったんですよ・・・。」



氷浦 「さっきまでトレーニングしてて、次のパラリンピックにも出るつもりだったのに・・・」



新海 「皮肉ですよね・・・。障害を乗り越えてここまで来たのに・・・。14年前の事故の日から、彼がきょうしんの事は決まっていた」



氷浦 「悔しい・・・」



藍沢 「必要以上に責任を感じることは無い。医者ができることはかぎられてる。」



新海 「その言葉理解すべきはお前だろ。患者の事で必要以上に責任を感じているのは誰だ?」



そう言って新海先生はこの場を去った

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作者名: | 作成日時:2019年3月8日 1時

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