お題【仮面】 ページ5
誰にだって、本心とは逆のことを言うことがあるだろう。
怒っているが、「良いよー」と笑顔で答えたり。
そんな嘘の表情、言葉を人は”仮面”と言い、
偽りで過ごしている私は、”仮面少女”。
煩い教室、煩いクラスメート。
そんな今は放課後。
面倒な授業が終わったこの時間帯は、決まって煩くなる。
友人同士でこの後の予定でも決めているからだろう。
「ねぇ、Aちゃん!このあとどうする?」
私に話しかけてきた一人の友人。
他のクラスメート同様、このあとの予定について聞いてきたのだ。
「あ、ごめん......。今日、この後先生に提出するものとかあるからさ」
「そっか......。なら仕方ないね」
またね、と言って友人は走り去った。
もちろん、先生への提出物があるだなんて嘘。
ただ、面倒だった授業の後にまた面倒なことをするのが嫌なだけだった。
そんなことを考えつつ、適当にプリントを出したりしまったりする動作をしている内に、どんどんと人が出ていき、遂には自分だけになる。
いつから、こんな仮面を被るようになったのだろうか。
今では、もう自分でも何が本心で何が仮面か分かりゃしない。
「お前、一人で何してんの?」
不意に、誰かに話しかけられた。
声の方を向くと、そこには同じクラスの少年。
「ううん、何も。私そろそろ行くね」
ガタッと立ち上がり、直ぐ様鞄を持って出ようとした。
まったく、何故今日はこんなに話しかけられるんだろう。
スタスタと歩いていき、少年の横を通ろうとしたとき、
「お前さぁ、何でいつも嘘ついてるんだよ」
自分の耳を疑った。
足を止め、少年を見つめる。
誰にも、そんなこと言われたことはなかった。
誰も、”仮面”をつけていることに気が付かなかったというのに。
「......どういうこと?私は何も......」
「見てれば分かる」
時間が止まったみたいだった。
依然と少年は、私の方を見続けている。
「嘘ついてても、楽しくないだろ。俺がその仮面、ぶっ壊してやるよ」
冗談みたいな台詞、でも、目はとても真っ直ぐで。
私は、目を避けることが出来なかった。
誰も知らない、仮面の裏の私。
誰にも知られなかった私の仮面。
この時、その仮面に少しヒビが入ったような気がした。
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クレセントミント様のリクエストでした!
リクエスト、ありがとうございました。
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不知火(しらぬい)(プロフ) - 類々さん» 分かって頂けましたか!良かったです。書いてて自分でもこれ分かりづらいなぁと思っていたので......。長らくお待たせしてしまい申し訳ありません...。はい、頑張ります!コメントありがとうございます! (2016年11月14日 15時) (レス) id: 40bbea7726 (このIDを非表示/違反報告)
類々(プロフ) - リクエスト書いてくださりありがとうございました! タイトルの意味を見たときなるほど!となりました。これからも作者さんのペースで更新頑張ってください (2016年11月13日 20時) (レス) id: 58953b7c61 (このIDを非表示/違反報告)
不知火(しらぬい)(プロフ) - 星の夜さん» おぉ、こんなにたくさん...。もちろん構いませんよ!ですが、作者の時間が若干なくて少し待っていただくかもしれません...。それでも良いのなら全部書かせてください!コメ、リク、ありがとうございます! (2016年10月16日 22時) (レス) id: 40bbea7726 (このIDを非表示/違反報告)
星の夜 - リクエストしまくっていいですか?「ナイフ」「自分嫌い」「雨の中」「血」「枯れた桜」「愛に餓えて」←ナイフと血に関してはもう気にしないで書いて下さい。題名っぽいのも気にしないで下さい。多いですよね…ごめんなさい。 (2016年10月12日 23時) (レス) id: ada47a0c32 (このIDを非表示/違反報告)
類々(プロフ) - 不知火(しらぬい)さん» ありがとうございます! のんびり待っていますね〜 (2016年10月11日 18時) (レス) id: 58953b7c61 (このIDを非表示/違反報告)
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