お題【色】※改善(?)あり ページ4
世の中にはいろんな色がある。
鮮やかな赤、美しい青、自然豊かな緑。
どの色も綺麗で
つい目を奪われてしまうものばかり。
闇の黒も、何にでも染まる白も。
でも、同じ色なのに美しく思われないものだってこの世にはある。
例えば____「うわ!」
「お前のその髪、血みたいだな!」
私の髪を掴み、ケラケラと陽気に笑う少年。
生まれた頃からのこの髪色だった。血のように真っ赤な”赤”。
いつもフードを被って隠していたのだが今日の生憎な強風のせいで虚しくバレてしまったのだ。
好きでこんな風に生まれた訳じゃないのに......。
そう思っても、声には出ない。出せない。
少年たちに髪を引っ張られたり、挙げ句には蹴られたりしている中、
『もし、自分が普通だったなら』
と、空虚な妄想をする。
自分に普通という言葉が似合わないのも分かっている。
それでも、そう願ってはいられなかった。
アニメや漫画の中じゃないんだから、こんな汚いもの......。
倒れながらも、無心に地面を見つめている。
すると、一人の少年が何かを振り上げたのが見えた。
あぁ、きっと私はあれで殴られ死ぬんだろう。
ここまで生きたならせめてもっとマシな死に方があったんじゃないだろうかと思う。
避けることもなく、ただその降り下ろされる物を見ていると
「何やってんだ!!」
誰かの影が、自分の前に立ちはだかった。
その人は、少年が持っていたものを取り上げ、カランと横に捨てた。
気付けば、あのいじめていた少年たちはいなくなり、私とこの人だけがその場に残る。
「大丈夫か......?」
その人はそう言って私に手をさしのべた。
「なん......で」
掠れていて、今にも消えそうな声で尋ねる。
「私の髪は......汚いから。こんな変な色......」
服の裾をぎゅっと握り言うと、その人は私の頭を無造作に撫でた。
そして、笑顔でこう告げる。
「汚くなんかないよ。綺麗な赤色、僕は好きだよ。君の赤は、血の色なんかじゃなくて、もっと素敵な意味のある赤なんだからね」
そう言ったその人の目は、私をまっすぐ見つめていた。
初めて言われた言葉。
どれだけ、この瞬間を望んだか。
私の頬を伝ったものは、私の髪の色を反射して美しい赤に染められていた。
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不知火(しらぬい)(プロフ) - 類々さん» 分かって頂けましたか!良かったです。書いてて自分でもこれ分かりづらいなぁと思っていたので......。長らくお待たせしてしまい申し訳ありません...。はい、頑張ります!コメントありがとうございます! (2016年11月14日 15時) (レス) id: 40bbea7726 (このIDを非表示/違反報告)
類々(プロフ) - リクエスト書いてくださりありがとうございました! タイトルの意味を見たときなるほど!となりました。これからも作者さんのペースで更新頑張ってください (2016年11月13日 20時) (レス) id: 58953b7c61 (このIDを非表示/違反報告)
不知火(しらぬい)(プロフ) - 星の夜さん» おぉ、こんなにたくさん...。もちろん構いませんよ!ですが、作者の時間が若干なくて少し待っていただくかもしれません...。それでも良いのなら全部書かせてください!コメ、リク、ありがとうございます! (2016年10月16日 22時) (レス) id: 40bbea7726 (このIDを非表示/違反報告)
星の夜 - リクエストしまくっていいですか?「ナイフ」「自分嫌い」「雨の中」「血」「枯れた桜」「愛に餓えて」←ナイフと血に関してはもう気にしないで書いて下さい。題名っぽいのも気にしないで下さい。多いですよね…ごめんなさい。 (2016年10月12日 23時) (レス) id: ada47a0c32 (このIDを非表示/違反報告)
類々(プロフ) - 不知火(しらぬい)さん» ありがとうございます! のんびり待っていますね〜 (2016年10月11日 18時) (レス) id: 58953b7c61 (このIDを非表示/違反報告)
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