ニゲラ (ページ10)

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樹side

お昼にまた大我の様子を見に行けば案の定ご飯を食べる気力はないみたい

いつも不思議とトマトは食べてくれるから持ってったらやっぱり控えめに口に運んだ

こういう日の大我にはいつまでたっても慣れることが出来ない

と言っても対応には慣れたんだよ

慣れないのは俺の気持ちだけ

暗闇の中で焦点のあわない目で、どこか遠くを見つめる大我に怖くなるから

ある程度食べてくれて俺もお昼ご飯を食べておこうと1度下に降りた

優吾の作ってくれたご飯を持ってきて1人で食べる

途中でトイレに行きたくなって行儀が悪いのは分かってるけど1人だしって席を立った

それがいけなかった

ご飯を食べる時も大我のそばにいれば良かった

嫌な予感はあたってしまって

食べ終わって洗い物を済ませ、もう一度大我のところへいけばさっきまで閉まっていたはずのドアが開いていて

「大我！！？」

部屋はもぬけの殻

「どう、しよう…大我、どこ行ったんだよ…」

とにかくまずは家の中を探し回ったけど見つけられなくて

恐る恐る玄関のほうへいけば開いている

なんで、気付けなかったんだよ

とにかく優吾に連絡入れないと、

俺がついていながらこんなことになって、申し訳なさでいっぱいになりながら急いで優吾に連絡を入れた

“優「あいつらには俺から連絡入れとく！！とにかく樹は探してて！！！見つけたらすぐ教えて！」”

焦りながらも冷静に指示を出してくれてその優吾の声に俺もなんとか冷静さを取り戻した

大我のいつも履いていた靴はある

多分裸足で外に出てる

俺がトイレに行ってる間に出たんなら、遠くに行く時間は割とある

でも、今のあの大我がそこまで歩けるとは思えない

こういう日の大我なら、どこ行く！！！

とにかく手当り次第に走り回って探した

思いつくところ全部

「なんで、っどこにいんだよっ！！、」

優吾から連絡を受けた他のみんなも早退して探してくれていて、いなかった所を共有しあった

どこだ、どこだよっ、、！

そしてハッと思い出したのは小さい頃よく隠れて遊んでいたあの川

何となくそこにいる気がしてとにかく全速力で走った

「なにやってんだよっ、、、！！」

そこには川の中へ足を進める大我の姿があった

とにかく、、とにかくとめないとっ

見つけたことへの安堵とこんな寒い時期に川へ入ろうとしている理由がいやにわかって

出せる限りのスピードで走った

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