ニゲラ (ページ23)

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･ ※注意ページ23

大我side

先「それじゃあ大我くん。いつもやってるみたいに脱いでして」

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人に触れる事も触れられる事も怖い

だからこいつに触れる事も触れられる事も嫌でパニックになって泣いて抵抗する

けどそんな俺を見て気持ちの悪い笑みを浮かべるこいつにはそれが逆効果で

1度も殴られたことは無い。暴力をふるわれたことはない。

それでもこいつを通して昔の記憶が蘇って苦しくなる

勝手に満足したらこいつは息もまともにできず気を失った俺の写真を撮って帰って行く

それも全部この事を俺が他の人に喋ってバラさないようにするため

その後、意識が戻った俺は中に出されたものをとにかく掻き出して何度も何度も体をタオルで擦った

夢中になって擦っていつの間にかタオルは自分の血で赤く染まっている

そして服を着ればそれ以上はもう動く気力もなく倒れ込んだ

こうして俺の体には無数の傷が増えていく

アイツのせいでできた、この傷

それはアイツからすれば

“俺のモノになった証”

で、不可抗力であるから仕方ない

そう思うけれどこの体を見る度にアイツが頭に浮かぶ

自分の体がどす黒く見えて仕方ない

この体を見れば自分が汚いモノだと再認識せざるを得ない

こんな俺が家に帰ってもいいものなのか。このどす黒く汚い体を家の中に、愛する家族の住む神聖なる場所に入れてしまっていいものなのか

考えるだけでゾッとする

「あ゛ー…死にたい」

散々泣き喚いた俺の喉はガスガス

これじゃまた、一時歌はお預けだ

悔しいなんて感情は初めから持ち合わせていなかった

ましてや勇気なんて大それたものも持ち合わせていない

ただただまともに抵抗することも、ただただまともに誰かに悩みを打ち明けることも、ただただまともに生きていくことも何も出来ない

そんな自分にも

そんな自分を選んだあいつにも

心底じめじめと陰湿に憎悪や嫌悪を膨らませることしかできない

なんて滑稽で惨めな人間だろうと思う

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汚い部屋に汚い自分が居る

「ははっ……」

胡散臭い棒読みの乾いた笑みを零し煙草に火を付けた

今日もまた憂鬱が姿を現す

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