天使と宇井さんの日常

番外編〜雪、２〜 ページ31

続きです。
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『えっと、ここを･･･こうして。』

指に息を吐きかけながらぺたぺた雪を積み上げ葉っぱをくっつけ、赤い木ノ実を目にする。

黙々と雪兎を作る桜。

そこに。


「桜、何でコートも着てないの。」

上から呆れた様な優しい声が聞こえた。


振り仰ぐとコートを着て、桜のコートを
腕に掛けた郡が桜を見下ろしていた。

『こーり先輩･･･。』

「ほっぺも真っ赤じゃない。

手袋してないの？！

風邪ひくよ。」

『うふふ、大丈夫です。

ね、見てください。

雪兎ですよ』

にこにこしている桜に郡はため息をつき、
コートを差し出した。


「着なさい。

ほら風邪ひくから！」

桜はむぅっとしてから雪兎を置いてから郡が
差し出すコートを着た。


『ふああああ･･･。

暖かいです･･･』

「そりゃね」

郡は呆れた様なため息をまたつく。

『ねぇ、結構上手じゃないですか？

この雪兎。

力作ですよッ！』

「うん、上手。

ねぇ桜、手袋してないよね」


『はい』

桜は冷えきってかじかんだ細い指を見せる。

「手袋は？」

『えっと･･･ＱＳ室かと。』

「今、無いの？」

『はい』

あっさりうなずく桜に郡はまた呆れ返った
ため息をついた。


「しもやけになるよ」

『大丈夫ですって。』


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続きます。

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