自分の人生 ページ5
「やあ、お仕事お疲れ様です」
「えぇ。お疲れ様です。貴方と会うのは久しぶりですね。どうですか?探偵の方は」
「まぁ、ぼちぼち。警察のお仲間さんにも瀬戸塚探偵事務所についてさりげなく勧めといて下さいよ。物探しでも、浮気調査でもやるんで」
「元気そうで何よりです」
半グレ連中が数台のパトカーに押し込まれている間、銃兎と話をする。
彼を見ていると、前の職場を思い出す。
ついでに元監視官眼鏡の宜野座伸元の事も。
(似てるとこは似てるんだよなあ)
「にしても……前々から思っていましたが、随分と慣れているんですね」
「何が?」
「こういった荒事に」
「ははっ。性分さね」
(職業病みたいなもんだが)
「性分ねぇ……まぁ良いでしょう。取り敢えず、大体の話は理鶯から既に聞いています。この後は二人と合流するのでしょう?」
「そうですね」
「……情報をくれるのは有難いですが、逆恨みされて探偵事務所襲撃されないよう気を付けてくださいよ」
「そういうのフラグって言うんだぜ?巡査部長」
何てやり取りをし、軽く形だけの事情聴取をその場で済ませる。署に連れて行かれないだけまだマシだ。後は銃兎の方で上手くやってくれるらしい。
解放された後は言われた通りの場所に向かい、溜息を着く。
「ここにドミネーターがあったら、私の今の犯罪係数……いくつなんだろうな」
この世界が元いた世界なら私は完全にアウトだろう。だからこそ、自由に考え、動けるシビュラシステムのないこの世界は居心地が良い。
元いた世界だって、シビュラシステムが出来る前はこんな感じだったのだろうか。
「夜空が、綺麗だな」
皮肉にも……シビュラシステムの存在する世界より、今の方が自分で自分の人生を生きているのだと実感出来る。
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イマツギ(プロフ) - 続きが楽しみです。お時間があれば更新頑張ってください! (2022年3月12日 12時) (レス) @page34 id: f5ff06f155 (このIDを非表示/違反報告)
紅 - 面白い!更新頑張って下さい! (2020年4月10日 13時) (レス) id: ceacd95bed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遙 | 作成日時:2016年2月6日 20時