相反恋愛 Ⅲ【ドラコ・マルフォイ】 (ページ49)

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Story 141 ページ49

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床も天井も、何もかもが黒い。

何の印もなく、全く同一の取っ手の無い黒い扉が、壁一面に間隔をおいて並んでいる。

壁の所々に蝋燭立があり、青い炎が燃えていた。

光る大理石の床に、冷たい炎がちらちらと映る。

私たちが入ってきたドアが閉まれば、真っ暗で、松明の灯りが無くなるともう何も見えない。

『みんな杖を構えて』

私がそう言えば、全員が急いで杖を構えた。

『絶対に離れないで。背中合わせに詰めて。』

私たちは円を描くように背を合わせる。

何処から何かが襲ってきても良いように。

あとは、ハリーの夢の通りに進むしかない。

暗く、私たちがどう動いているのかを錯乱させようとする神秘部の造りに、とても手こずった。

しらみ潰しするしか無かった。

ハ「ここだ。」

『…！』

ハリーが一つの扉を開けてそう言った。

中には、教会のように高く、ぎっしりと聳え立つ棚以外には何も無かった。

棚には小さな埃っぽいガラスの球がびっしりと置かれている。

棚の間に、間隔をおいて取り付けられた燭台の灯りで、ガラス球は鈍い光を放っている。

寒い…

ハー「97列目の棚だって言ってたわ」

ハーマイオニーが囁く。

ルー「右に進むみたい」

ハ「54…55…」

延々と伸びる棚の通路を、時々振り返りながら全員が忍び足で前進した。

ガラス球の下に一つ一つ、小さな黄色く退色したラベルが棚に貼り付けられている。

気味の悪い液体が光っている球もあれば、切れた電球のように暗く鈍い色をしている球もある。

84番目の列を過ぎた。

85…86…87…

ハー「97よ！」

ハーマイオニーが囁く。

全員がその列の端に塊まって立ち、棚の脇の通路を見つめた。

いない。

ハリーから焦りが漂ってきた。

もしかしたら

やっぱりこれは…

ハリーが話していた場所には、シリウスは愚か、争った跡さえない。

ロ「マユ？」

『ん、なに？』

ロ「これを見た？」

ロンが一つの棚を見つめて言う。

『え？』

ロ「これ、君の名前が書いてある。」

『私の名前？』

ロンのように身長が高くないので、ラベルを見るのに一苦労したが、確かに私の名前が記されている。

ロ「なんだろ、これ。こんなところに、一体なんで君の名前が？」

不安そうな顔をする。

そして、同じ棚の他のラベルをざっと横に見た。

ロ「君の家族の名前が並んでる。」