相反恋愛 Ⅲ【ドラコ・マルフォイ】 (ページ35)

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Story 127 ページ35

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何かに踝を掴まれ、私は見事に転倒し、うつ伏せのまま数メートル滑ってやっと止まった。

誰かが後ろで息を呑むのを感じた。

直ぐに振り返れば、醜いドラゴンの形の花瓶の裏に隠れていたドラコが見えた。

『…ドラコ、』

あぁ、そうか。

ドラコはあっち側。

敵なんだ。

しかし、ドラコは私を捕らえたというのに黙ったまま動かない。

そうこうしている間に、アンブリッジが遠くの角から息を切らし、しかし嬉しそうににっこりしながら、せかせかとやってきた。

アン「あらあらあらァ！！彼女じゃない！お手柄よ、ドラコ、お手柄、ああ、よくやったわ…スリザリン、50点！あとはわたくしに任せなさい…ほら、立ちなさい女狐！！」

『ッ離ッ』

アンブリッジは私の髪をひっつかみ、無理やり立たせようとした。

しかし

ド「やめてください先生。」

アン「ドラコ？」

ドラコはアンブリッジの手首を掴んでいた。

ド「彼女は僕が連れて行きます。他にもいますから、先生はそちらに。」

アン「でもねドラコ「彼女は僕が捕まえました。」…貴方がそこまで言うなら…分かったわ」

アンブリッジは恨めしそうに私を睨むと、またせかせかと歩いていってしまった。

アンブリッジが居なくなった部屋の中で、私たちは黙ったまましばらく動かなかった。

口を開いたのはやっぱりドラコ。

ド「…なんで、こんなこと」

『なんで？なんでって？考えたら分かるでしょ？逆になんであんたはそっち側にいるの！？』

ド「…それは、僕がスリザリンだからだ」

『ッ…！！なんで、ッ…』

ド「…とにかく、君を校長室に連れて行かなきゃならない」

私の手首を掴んでドラコが言う。

『ッ離してッ！！触んないでッ！！何言われたって逃げないわよッ！！』

私が泣きながら声を荒らげるので、ドラコは驚いたように身を引いた。

私はドラコの後ろを歩いて、校長室へと向かう。

今にも爆発しそうな勢いでアンブリッジが憎い。

校長室に入れば、ダンブルドア、マクゴナガル先生、魔法省の人間、そしてアンブリッジとハリー、そしてマリエッタというチョウの取り巻きがいた。

マリエッタを最初に見た時は、あぁ、こいつが裏切ったのかと思ったけど、頬に残る特徴的な傷を見て全て理解した。

私にやったことと同じことをやったんだ。

しかも女の子の顔に。

とんだクソ野郎だと、私は思った。