相反恋愛 Ⅲ【ドラコ・マルフォイ】 (ページ30)

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Story 122 ページ30

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『へぇぇぇぇぇっ…？マルフォイとデート！！！それはそれは…』

パーキンソンに向ける私の笑顔はどんどん引きつっていく。

私、彼女なんだけど

今日バレンタインなんだよね？

誘ってよ。

予定が空いてるじゃないわ。

誘わないのは良いとしても、他の女と行くなんて

『ほんと…ありえない』

ド「あ…っ、お、おい違っ『今日は”バレンタインデー”だもんね！』ぅ…っ…」

『デート、楽しんで』

パーキンソンに嫌味ったらしく微笑むと、私はドラコに視線を移す。

ただでさえ血色が無いのに、さらに顔を真っ青にさせている。

まずいことをしてる自覚はあるわけだ。

何も言わず真顔でじっとドラコを見つめた後、私はすぐにローブを翻し、足早に人混みに紛れて行った。

ド「マユッ！！！悪い、パンジー。急用が出来た。ホグズミードには行けない。悪い！」

パ「はっ！？ちょ、ドラコ！！？」

あぁ、虚し

なんでバレンタイン当日にこんな目に合わなきゃならんのだ

バレンタインって恋人と過ごす日だと勝手に思い込んでたや

『っはぁぁぁ…ばっからし…』

髪をぐしゃりと掴みながら長い廊下を進んでいると、ドタドタと足音が背後から聞こえてきた。

何事かと振り返ろうとした瞬間、ヒッポグリフに突進されたかと思うくらいの衝撃を背中に受け、ぐぇっと可愛げもない声を漏らしてしまった。

『誰！！！！』

踏ん張ることも出来ず地面に倒れ込み、突進を食らわせてきたものの正体を確認するように上に乗りかかるものに視線を向ける。

ド「っマユ…」

『あ"ぁぁぁ……』

お前かよ

痛いんだけど

心も、物理的に体も

ド「僕はそんなつもりじゃ…」

『おーおー、この期に及んで言い訳ですか。というか、まず退いて？邪魔』

私がそう言えば、物凄いスピードで立ち上がるドラコ。

差し出された手を無視し、私も立ち上がった。

＊＊＊

そして、今に至る。

私はドラコを睨んだまま何も言わないし、ドラコはそんな私にビビり散らかして黙っている。

『ねぇ。早く言い訳してみなよ』

ド「ちが、僕、は…っ…！」

『僕は、なに？』

ド「パンジーに誘われて、…予定もなかったし、良いかと…」

『へぇぇぇ？予定無かったら彼女以外の女とデートしていいんだ？しかもバレンタインの日に。』

ド「そ、れは…」

『いや、予定ないじゃないわ。誘えよ。彼女。』