第八十話 ページ37
*
『あ"ーもう!執拗い!!私に構うな冬仁!!』
冬「何故そんなことを言う。折角帰ってきたんだ。もう少し喜んでくれても良いだろう。勿論、俺は麻友と再会できて死ぬほど嬉し『私は嬉しくない』相変わらずだな」
そんなことより私は煉獄の方が気が気でならんのだ。
私が冬仁に絡まれている間に、煉獄は和に絡まれていた。
杏ちゃん、杏ちゃんとベタベタ煉獄を触る。
とても気分が悪い。
杏「…やめてくれ。執拗いぞ。」
和「久しぶりに会えたのに酷いっ!!私大きくなったでしょ!?もう杏ちゃんのお嫁さんになれるのよ!」
杏「生憎、俺の相手は麻友と決まっているんだ。他の相手を見つけてくれ。」
和「私は杏ちゃんが良いの!!」
無理だ、嫌だの一点張りで煉獄たちも決着が着いていない。
昔もそうだった。
私と煉獄が一緒にいると、この二人は狂ったかのように激怒する。
あまりの酷さに、私の父上と煉獄の母上…瑠夏殿が手を打って遠い遠い町へと引っ越していったのだ。
まさか帰ってくるとは思わないだろう。
冬「麻友。その腰の刀はなんだ。それに服装まで。まるで隊士じゃないか。」
『まるでもなにも、私は鬼殺隊の隊士で、父上の跡を継いだ雨柱だ。』
冬「なっ!?今すぐにやめろ!!そんな野蛮な仕事など!!」
…野蛮だと?
『口を慎め。どんな仕事であろうと、その物言いは感心しない。』
和「鬼殺隊って、麻友ちゃんと杏ちゃんのお父様が居た場所よね?昔から変だと思っていたのよねぇ。鬼ってなによ。そんなの居ないって!!」
鬼は物語の登場人物だと馬鹿にしたように笑う。
「『……』」
煉獄の額にも青筋が立っている。
私たちは同じ気持ちだということだな。
杏「鬼を見たことがない平和な人間でよかったな。君たちは恵まれている。」
『本当にその通りだ。最前線で私たちが戦っているから平凡な暮らしが出来るというのに。』
冬「女が隊士なんかやっていてもろくな事がない。そんなものさっさとやめて、俺の嫁に来れば良い。そんなこと、やりたくてやっているわけじゃないんだろう?」
杏「そうよ。杏ちゃんも私の旦那様になれば何もしなくても生きていけるの。御伽噺に浸ってないで、さっさと私と暮らしましょうよ」
ここまで人間に対して殺意を覚えたのは初めてだ。
私は思わず柄に手をかけてしまう。
杏「ダメだ。」
『っ…チッ』
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真季 - 続編おめでとうございます。引き続き楽しみにお待ちしてます。 (2021年10月7日 23時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かふぇらて | 作成日時:2021年10月7日 22時