【募集企画】青で繋がる僕らは…【本編】

空組で。 ページ2

空組:モブ(幸子)side



「起立、礼。おはようございます」

いつもの朝。

『おはようございます』

けれど、彼・彼女らにとっては、こんな朝にもナニカがあるのだろうか。

「着席」

何気ない普通の毎日は、誰かにとって苦しい苦痛の毎日なんだと気づいたのは…いや、気づけてないのかもしれないが、彼らのおかげであろう。

「では、早速ですが一時間目の授業の説明をします。一時間目は…」

あぁ、先生もそうだったか。
…"彼・彼女ら"というのは、この学校では有名な―――

【青の生徒】
【青の教師】

の事。
ここ、空組には、合わせて7名の青の生徒、教師が居る。
今、教卓に立ち一時間目の説明中の先生…無月先生がその一人。
少しだけ低い声は安心感があり、生徒の事を本当に大切に思ってくれている、自慢の担任だ。
お母さんというか、お姉さんというか、本当にやんわりと幸せな空間を作ってくれるから、無月先生に相談しに行く人は絶えない。
…常に笑っているのが少し、ほーんの少しだけ怖かったりするけど。
そして美しく、教師としてもその腕は確かなもの。

「おー、なんか楽しそうだねっ！ねーねー加奈〜、組同じにしない？」
「いーよー」

そこで早速一時間目のペアについての会話を始めているお二人さん、の桃色髪の方。
突然だが、うちの学校…とくに青の生徒教師は、容姿が麗しいことが多い。
え？私？喧嘩売ってる？…コホン。
彼女、花桃ゆりかも青の生徒だ。そして元気系で女子の私から見ても可愛い…というか元気っ子。元気すぎてたまに私達が驚く。友達は多く、私もよく話しかけられるが、たぶん親友はいないし作る気ナシ。彼女の一番は恐らく姉の…

「んね…ゆりか、一緒に組も…あ、ごめ、もうペアいた…？」

彼女。彼女はゆりかの姉の、花桃かのめさん。
本当にゆりかとそっくりで、喋らなければ間違えてしまいそう。…間違えた時にかのめさんにめっちゃ睨まれたのは苦い思い出だ。大人しく、あまり人とはなさない。美人だがその…暗い感じがするため近寄りがたいんだよね。そしてかのめさんも、青の生徒。

「ねぇ。」

また会話を始めたが、聞いても何にもならないだろう。聞き耳を立てていたら、ただの不審者だ。

「ねぇ〜ねぇねぇねぇねぇ！」

というか何故私は先生やクラスメイトに対して上から目線なのだろうか…まぁいいか。

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