多分これは勘違いであって【坂田銀時】

何このときめき……36 ページ37

銀時side


夜10時。ヅラがただいま、と帰ってきた。
ニヤニヤしながら俺の前に来るのだが、なにかものすごいイライラしたので無言で殴っておく。



｢銀時、いい知らせだ｣

｢あぁ？｣



酒を飲んできた様子もないが、なにか企んでいるようなそんな顔。
ごそごそとカバンをあさくって、出したのはスマホ。
そしてなにかの操作をし、俺に見せてきたのは録音アプリ。



｢Aがお前の名を呼んだぞ｣



は？そう聞く前に流れるそれ。

ー銀時のものでもないからー

えっ、えっ？
どういう流れ？
どういう流れでそうなった？
桂からスマホを奪い取り、最初から再生する。

ーにしてもあんた、彼女ちゃん美人じゃないかいー

ー馬鹿言え。幾松、よく聞け。この娘は銀時のだ。俺のじゃないー

ー銀時のでもないけどー

ー銀時のでもないけどー

ー銀時のでもないけどー



｢神かよお前……｣

｢いやきめぇよお前｣

｢黙ってろプライド高杉｣



名前を呼ばれるだけでこのときめき。何このときめき。
これ間宮に｢好き｣なんて言われでもしたら俺爆発してたかもしれない。


俺の携帯に送っておいてくれとヅラにスマホを返す。
にしてもヅラ……間宮とデートなんて許さない。ぎりぃ。


すでにスーツを一枚脱いでいたヅラが一言言う。



｢間宮と上手く行けばここでお祝いだな。｣

｢どーんと船でパーティでも良かぜよ！｣

｢気が早ぇぞお前ら!!｣



いつの間に来たんだ辰馬よ。
一応付き合わねぇ？と聞いてみたが反応なしだ。脈アリとは思えない。なんて、そんなことをこの三人の前で言ったら慰め会が開かれるかもしれないそれはごめんである。


｢つかなんでそんなに協力してくれんの？｣

｢｢面白いから｣｣

｢死ねばいいと思う。｣

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