S心に火をつけた……27 ページ28
ダラダラと汗を吹き出し始める坂田。心做しか頬も赤くなっている。
……これはいじりがいがありそうだなと私のS心に火をつけた。
「なななな、なんでそんなこと!?」
「だってこのまえ言ってたよね。俺のテクニックでメロメロしてきたんでしょ?」
うぐっ、とまた詰まる。
おおおおう、してきたよ!?とまた焦りながら。
予想はしてなかったが、あれか。このまえ寝ぼけてた時に聞いていた言葉は本当か。
お酒が抜けてないかもしれない。
言葉がすらすらと出てくるが、坂田の反応が楽しすぎて止めたくないように思える。
「桂から聞いたよ。酔ってるとノリで何でもしちゃうんだね。なんだっけ。4人で合コン行った時全裸になってふられたんだっけ?」
「アッー!なんでそのこと知ってんの!?ヅラ!?ヅラだよね話したの!?!?」
だからこの前も平気でキスしたんだ、と言わずに時分の唇に触れる。
あ、思い出したら泣きたくなってきた。
急にしーんとなった私に心配になったのか、急な沈黙に絶えられなくなったのか坂田が口を開く。
あの、間宮さん酔ってます?とおそるおそる聞いてきた。
酔って……はない。多分。
いや、体が熱いから多分酔ってる。
酔ってなきゃ、こんな鼓動は早くない。
なんで坂田が最近になってこんなに私に絡むようになったのかわからない。
高校時代だったらありえないことだ。
そのころの坂田はいつも輝いていて、うるさくて、笑顔が多くて、周りに人がいて。
接点と言えばプリントをはいってやったくらいだ。
眼中にも入ってなったはずだ。だって私は眼中に入れてなかった。
休憩時間も15分くらいたった。
そろそろ戻らないと迷惑かけちゃう。
未だにオロオロしている坂田が目に入った。
「そろそろ戻らないと」
「お?おう。そうだな。無理すんなよ」
時計を見ながら言う。
チョコレートありがとう、と今度お礼するよと言ったけど、いいよそんなんと断られた。まだ坂田は控え室にいるらしい。
優しいのかチャラいだけなのかはわからないけど、部屋を出る瞬間に、嫌味ったらしく言ってやった。
「初めてだったのに。」
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月見おはぎ - 欲しいです!家に銀さん欲しいです!発注してぇぇぇ (2021年8月31日 18時) (レス) id: f413eaa44e (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 銀色さん» ありがとうございます!初々しい銀さんを書くのはとても楽しかったです!頑張ります! (2018年3月12日 18時) (レス) id: e7a720d445 (このIDを非表示/違反報告)
銀色(プロフ) - とても面白かったです!銀さん大好きなのでとてもドキドキしました。これからも頑張ってください (2018年3月11日 19時) (レス) id: 54384483c3 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 龍神邪炎さん» うわあああやってしまいました!!ご指摘感謝ですっ!ありがとうございます!頑張らせていただきます! (2017年5月27日 17時) (レス) id: e7a720d445 (このIDを非表示/違反報告)
龍神邪炎(プロフ) - 武智じゃなくて武市ですよ〜。いつも楽しく読ませてもらってます!!これからも頑張ってください! (2017年5月27日 17時) (レス) id: 8839339b34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃん | 作成日時:2017年5月13日 19時