多分これは勘違いであって【坂田銀時】

セクハラおじさん……25 ページ26

料理を持ってきた沖田。
その顔は愛想笑いで包まれて、早く帰れやとそんなオーラを出しているのがわかる。
わかるよ。
わかるけども。
あんたら何もしないでしょうが。



松平さんの隣に座らされてセクハラされ放題。
妙さんの犠牲になったのだ私は。
素直に楽しんでる様子の将軍様。えぇ、コスプレ似合ってますよ早く帰れ。



｢もっと飲んでよまみちゃぁん。ホルァァ、飲んで飲んでぇ｣

｢松平さん、お触りは禁止ですよ？｣




名前を聞かれた時、本名を名乗るのも癪だったので間宮のまみと名乗った。触られそうになった時は妙さんが助けてくれている。
巻舌が酷すぎて何言ってるかわからないけど私飲んでますよ。
完全に酔っている松平さんを見ながらすまないなと言う将軍様。
うん。帰れ。



そして将軍様が料理に手をつけた。
……瞬間に無言で顔が赤くなる。



｢どうした将ちゃん。ようやく酔いが回ってきたのかっ？｣

｢……あぁ…っ｣



口元を抑えながらプルプルと震えて何かを我慢している。
まさか毒が……？
料理を見れば真っ赤に染まっている。
刺激物の匂い。
イタズラ好きの沖田が持ってきたということはこれ
……


｢タバスコｵｵｵｫｵｵｵｵ!!!あいつ絶対殺すアル!!!｣



日を吹きながら暴れ回っていた神楽の出来上がりだ。よく食べれたなぁと思いながらもキンキンに冷えた水をお登勢さんから貰った。
神楽が暴れて零れた料理を拭き取りながら大丈夫ですかと将軍様を見ればら疲れきってハアハアしている。いろいろ騙されやすいのかな。




そして松平さんを見れば俯いていた。
気持ち悪いのかなとまた大丈夫ですか？と手を伸ばした瞬間に立ち上がる松平さん。
完全に酔っているようで、呂律が回っていないが確実に私の方に倒れてきていることがわかった。



｢慰めてよまみちゃ〜ん…ﾋｯｸ…おじさんもうやってらんねぇよぉ｣




そして確実にセクハラ目的である。
倒れてきているのだが、急すぎて体が動かない。
せっせと将軍様のこぼした料理を拭き取ってるメンバーと暴れ回っている沖田神楽が視界にはいるが、助けてくれまじで。



松平さんの手が胸を触りそうになった時、横から手が伸びてきた。




｢お客様さん、お触りは禁止ですよ。その耳はお飾りですかコノヤロー｣

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