多分これは勘違いであって【坂田銀時】

ストーカーも被害者も……18 ページ19

お妙さんからの連絡で、久々に飲みに行かない？と誘われて居酒屋。
どうやら柳生さんの給料アップに使われるらしい。


昼間聞いた声と同じいらっしゃいませを聞き、今度は真ん中の席に座った。



｢まぁ、恋バナをしにきただけなのだけどね｣

｢妙さんの？｣

｢あなたのよ｣



妙ちゃん！
九ちゃんお疲れ様ね、そんな会話を交わしたあと早くもなぜか私の話題になって困る。
恋バナ、と言われても何も持っていない。
そうだ、妙さんのを聞かせてもらおう。


あらやだ、銀さんとはとうなってるの？と聞かれ、またもや困惑。
なんのこと？と聞いたら、ハッとした顔でごめんなさいと言われた。げせん。



｢妙さんのが聞きたいな｣

｢あらやだ私も無いわよ｣

｢お妙さん!!俺というものがありながら…っ！俺と過ごした日々を語ってはくれませんか！そう！あの夜！｣

｢ゴリラが喋ってるわね珍しいわ｣



あ、あの時の罰ゲームゴリラ。ふざけんな殺すぞ。
もしかして、と噂には聞いていたが、本当に妙さんのストーカーなのか。



おお！同窓会の時の！と大声で言われて思わず水の入ったコップを顔面にスパーキング。
隣にいた土方に睨まれた。



｢でも大人数の方が楽しいわ。みんなで飲みません？｣

｢おおおお妙さんっっ！こんなことってあるのでしょう神よ!!｣




飲みましょう飲みましょう、と店員さんに頼み畳の部屋に移動した。
いやいや付いてきた土方が、ずっと私を見ている。目つき悪いから怖い。
やめて怖いわ。


柳生さんに、生、と答えて騒がしいゴリラを放って喋り出す。ちなみに土方は黙ったままだ。ついでに沖田も。


3人で飲むつもりだったんだろう。
同窓会の前はこんなことはなかったのだけれど、どうしてあの後からこんなに絡みのなかった人たちと絡むようになったのだろうか。



声に出ていたようで、沖田がそれは、とつぶやいた。



｢あんたが面白いからですぜｨ｣

｢…………は？｣

｢おい総悟｣｢黙ってろ土方死ね｣｢てめぇ｣



なんのことだろう。
面白いって私は特になにかやったわけじゃないんだけど。



｢同窓会｣



瞬間に顔が赤くなる。
ぶわっと。



思い出し赤面。
おお、と3人が声を漏らした。
ひとつ聞いていいかと土方が私に聞いたのでどうぞと許可。



｢今考えて頭ん中に浮かぶのは誰だ？｣

｢木村〇哉｣

｢｢ならいいわ｣｣

なぞの依頼……19→←馬鹿か俺は……17

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す