第11話 ページ11
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Kanato side
廊下を歩いてると
『いてっ!』
誰かにぶつかった。
「あ、すいませ…って、お前かよ。」
俺の顔を見た途端声を変えるえみかちゃん。
『いやいや(笑)俺の扱い酷くない?
まぁそこがえみかちゃんのいいところだけど』
俺が言うとえみかちゃんは頬を赤くした。
「馬鹿じゃないの?
私そう言う事簡単に言う男嫌い。」
えみかちゃんに嫌われたくなかったけど
そんな反応を見たら可愛くて愛おしくて
『可愛いね〜えみかちゃんは。』
と言って頭を撫でてあげた。
「ちょ、何すんの!
もう、かなとなんか知らないから」
えみかちゃんはそう言って頬を膨らまして
後ろをクルッと向いた。
さすがに俺も“やばい!”と思い
『あ、えみかちゃんごめんね?
放課後なんか奢るから…』
そう言って顔を覗くと
「ばーか。怒ってないよ」
と笑顔を向けてきた。
初めて俺だけに向けられた笑顔だった。
可愛いという言葉以外ないような
笑顔を不意に向けられたわけで、
心臓が弾む感じが分かった。
『じゃあ奢らなくていいね(笑)』
俺は理性を抑えながら言った。
「だーめ。それとこれとは別!」
俺の言葉にえみかちゃんは
悪戯な笑顔を向けた。
『ええー。まぁ、えみかちゃん
可愛いからいいよ!』
俺が呆れた様子で言うと
“やったー!”と子供のようにはしゃぐ
えみかちゃん。
その笑顔が俺の目に
嫌になるくらい焼き付いた。
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作者名:いっけー | 作成日時:2016年11月18日 21時