【高杉真宙】モノクロに光れ。 (ページ12)

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第12話ページ12

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Your side

“真宙君と” いや、

もっと正確に言えば“真宙君を含む皆で”
放課後にお出掛けに行く事になった。

午後の授業は長すぎて、

今までの高校生活の中で

一番長いんじゃないかってくらいだった。

チャイムが近くなると皆ノートやら教科書やら
しまって教室内がザワザワする。

そして私も、えみかもチャイムと同時に

『｢やっと終わったー！｣』

と言い目一杯全身を伸ばす。

｢Aー、山本ー行くぞ。｣

名前を呼ばれて振り返って見ると
真宙君がドアにもたれて待っていた。

真宙君は何をしてもイケメンで
やっぱりモノクロでも輝いていた。

｢真宙君さー、何でAは名前で呼ぶのに
私は名字で呼ぶわけ？｣

えみかの質問に私は優越感に
浸りながら歩いていた。

｢別に理由なんかねーよ(笑)｣

｢あっれー？！真宙ー。
えみかちゃんが可哀想だろー？｣

かなと君はいつもの調子で
真宙君に言うと真宙君も
いつもの調子でかなと君を軽く蹴る。

｢わかったよ、えみか。｣

えみかの目をしっかり見て
名前を呼ぶ真宙君。

自分は呼ばれて無いのに胸が弾んだ。

｢あ、今のいい。｣

えみかは俯いてた顔をあげて言った。
その姿は可愛くて女の私でも
惚れそうになった。

真宙君はえみかが好きなのかなぁ
って思ってぼーっとしてたら

｢おい、A？何してんの？行くよ。｣

真宙君に言われて小走りで
真宙君の横に並んだ。

｢かなと達早く行ってるけど
俺らはゆっくり行こうぜ。｣

私は信じてもいない神様に
感謝の気持ちを送って

真宙君と2人で肩を並べて
えみか達の後についていった。