呪術師はクソなので呪霊との共存を目指したい【呪術廻戦】

どちらかと言うとﾎﾟﾛﾛﾝの方 ページ10

もし私が櫻井孝宏の声帯を持ってたら。王の話マシンガントークしてたかもしれない。術式的に。(わかる人にはわかるネタ)
何故突然そう思い至ったのか。それは今日の任務には全く関係なく、唐突に頭を過ぎっただけだった。ｶﾞｰﾃﾞﾝｵﾌﾞｱｳﾞｧﾛﾝ


本日の任務。とある呪言師の英才教育をうんたらかんたら。ようは呪詛師にならないための洗脳をかけてこーいってやつじゃねーかな、って思う。いや別に洗脳しろとも言われてないのだけれど。


呪言師ってのは、放った言葉のとおりに相手を操る、みたいな事ができる軽くチート的な術式の人を指す。言葉は呪いだとよく言うけれど、これほどまでにそれを体現する術士も珍しいなとは思った。関係ないけど“ハゲろ”って言ったら相手の頭髪吹っ飛んだりするのかしらね。
こういうのは大抵、呪言で縛れないくらい強い術師か、術式の無効化ができる術師を派遣するものなのだけれど、あの愚妹が見事にﾎﾟｰﾝしてくれたので京都からはるばる他県へと長時間移動を余儀なくされた。私術式持ってないって言ってんでしょーが。持ってるけど。


新幹線乗って、電車に乗り換え、現場にいる補助監督氏の車に揺られて30分。呪言師一家の狗巻家に到着。今回の補助監督氏はいつものゆるい人じゃないからちょっと気をつけなきゃなー。


『こんにちはー。呪術高専2年のAでーす。任務出来ましたー』


「……ようこそ呪術師殿。さっそくあの子の所へ……」


なんか陰気な奴だなーと失礼なことを考えながら、間者と思わしい男の後をついていく。伝統的な日本家屋のイメージをそのまま落とし込んだような邸宅は、手入れがよく行き届いていて持ち主の性格が反映されていると見ていいだろう。当主がクソだと大体使用人もちゃんと仕事しないからね。


庭から聞こえるししおどしの音を聞きながら間者の後をついて行くと、見るからに異質な扉に行き着いた。縁側からの陽の光が当たらず、暗くて湿度が高め。それだけでも充分異常だけれど、それ以上に衝撃だったのは、その扉の様子だったろう。
蛇の目と牙の呪印が書いてある御札が、所狭しと張り付いている。不規則に、出鱈目に、中のものを封印するかのように。


『……これは、中の音が外に聞こえないためのものですね』


「はい。中に入ることは簡単ですが、出るのは少々難しい仕様となっておりますゆえ、悪しからず……」

呪言師と和解せよ→←甚爾くんと私について

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す