呪術師はクソなので呪霊との共存を目指したい【呪術廻戦】

【情報は】真打登場！【錯綜する】 ページ7

「ふっふっふ、五条悟、この私が来たのだわ！」


バーン、というコミックのオノマトペが表示されるのではといわんばかりに開け放たれる扉。多分今ので扉の寿命は10年縮んだ。
そこには誇らしげに仁王立ちする、同級生と思わしき少女。一方呆然とする先に来ていた三人。


「いや、お前誰だよ」


「知り合いじゃないのかい？五条悟って呼ばれてたみたいだけど」


「こんなやつ知らね」


「学年ひとつ上がって、いつもの癖で一個下の教室入るやつ一人はいるよな」


「「わかる」」


「なっ、教室は間違ってない！」


教室も、五条悟が待ちわびていた人物としても、どちらも正しかったのだが、五条悟が思い描いていた人物という点では正しくはなかった。


「わ、私こそ御門院家次期当主、御門院 小春よ！」


「悟、嫁が来たよ」


「違う違う。俺の嫁もっと可愛い」


「ふふっ、もしかして照れているのかしら！手紙であんなに愛の言葉を囁いてくれたじゃない」


「悟、」


「は？違う違う、俺が求婚したのはこんなちんちくりんじゃなくて」


「誰がちんちくりんよ！」


小春が怒ることによって、桜の花びらが一斉に五条悟を襲う。Aほどではないのだが、小春も花闢結界術の使い手。術式の強制解除の効果を持つ花びらが見事にしゃべっていた五条悟の口の中に入り込んだ。五条悟は噎せた。


そういえば、と桜の花びらに咳き込みながら思い出す。あの日会った彼女は常に桜の花びらを辺りに漂わせ、ただならぬ呪力と神気を纏い、甘く上品な桜の甘い香りがした。しかしそこにいるのは、術式は一緒でも呪力は自分の３分の１程度の量しかない、ただの人間。ただの呪術師。


では、あいつは一体……？
御門院家の娘は二人。一人は相伝の術式を持つ少女、御門院 小春。そしてもう一人は術式も呪力も持っていない女、御門院 A。考えられるとしたらAの方なのだが、六眼を持っている五条悟は、たしかに見たのだった。あの時出会った少女に術式がしっかりと刻まれている姿を。


「傑、」


「どうした……って顔真っ青じゃないか。」


「俺の初恋、多分幽霊だわ……」


「くっ、あっはははっ、(縁起でもないこと言わないでくれ)」


「夏油、多分逆だぞ」


衝撃の事実(といってもこれも間違っている)に顔色を青くする五条悟と、その様子に爆笑する夏油傑、そして開き始めてポケットから煙草のケースを取り出す家入硝子と呆然とする小春。担任が車で場は混沌を極めた。

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