呪術師はクソなので呪霊との共存を目指したい【呪術廻戦】

【ついに】御門院家の娘様【自覚したようだ】 ページ5

あの後、食事の席についてみても、先程の女の子は現れなかった。どうやら五条家にはいるものの、行方が知れないという。彼女のいない食卓はやけに味気なく、一人になった時に思い出す桜の甘い香りか五条悟の心を満たしていた。


これでもうお分かりだろう、五条悟は恋をしてしまった。初めて出会う桜のような少女に。
しかし致命的なことに、五条悟は彼女の名前を知らなかった。御門院家の娘とは知っていたが、肝心の名前を聞きそびれてしまったのだ。
しかし五条悟は六眼の使い手。花闢結界術の使い手の名前を聞くくらい造作もない。


「花闢結界術の使い手様ですか。御門院 小春様ですね。御門院 日向様の娘様で、A様の妹様でございます。」



難なく知り得た情報だが、ここで一つ、またもや致命的なミスを犯してしまったことを五条悟はまだ知らない。
ひとつは、御門院家の術式持ちが二人いた事、そしてその事実を妹の小春によって隠蔽されていた事だった。


あの時出会った少女は、まさしくAの方であったが、「サクラみたいな術式を持った女」と伝えてしまったばっかりに、使用人は術式を持っている方の小春の名前を出してしまう。


五条悟はそれを聞いてすぐ様行動に移した。普段は触らない書机の前に座り、筆と墨を取って文字を書き連ねる。
内容は至極明解で、要約すると“俺の屋敷に来い”というもの。所謂招待状だ。
宛名は“御門院 小春”と。


競走馬で例えるならゴールドシップとの謎の認識を本家から受けているあの五条悟が、突然筆を取って他所の女性に文を出すので、当然家の中はザワついたわけだが、当の本人は気にした様子を見せない。自尊心がカンストしているため。


そうして五条悟が御門院家の娘に恋患ってることは瞬く間にほかの家にも伝わっていき、一時期の話題を総ざらいした。


恋仲疑惑を持たれる勘違い妹は楽しげに、下品な笑みを浮かべ、姉の方はその頃、暇そうに寛いでた禪院甚爾を引っ張り出して、ファミレスで甘味に舌鼓を打っていた。


『うん、期間限定の桃のパフェは美味しいですね。ファミレスの果物と侮っていました。』


「それ食ったら帰るぞ」


『いえ、ここの桃スイーツをコンプするまでは帰りません。お金は私が持つので好きな物頼んでいーですよ。甚爾ちゃん』


「ちゃん付けすんな。じゃ、遠慮なく食わせてもらうぞ」


※補足として。
ゴルシはこの時代には競走馬として生きてないので完全にフィクションです。

【話は】思春期と入学式【脱線する】→←【勘違いの】五条悟の恋煩い【始まり】

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