呪術師はクソなので呪霊との共存を目指したい【呪術廻戦】

術式開示 ページ27

『花闢結界術っていうのは、術式の強制解除だったり、物理攻撃無効化だったり、とにかく防御に極振りした術式なんだよね。だからこの、術式付与された領域も、ただそこに広がるだけで領域内の生き物は死なないようになってる。だから慌てなくていーよ』


そもそもゼロから術式を構築して作る結界術を、相伝として受け継ぐこと自体おかしなことだと思ってるけど、そこは気にしたらダメなのかな？閑話休題。


『けど、あくまでそれは領域内に訪れた人達限定で、術師本人からの接触は普通に通るんだよね。つまり、ここにいる全員の命は、私の手のひらの上。性格悪い術式でごめんね』


私以外の領域内にいる人達が、例えば私や他の領域内にいる人を傷つけようとしても、攻撃は入らないどころか、術式も呪力も無かったことにされる。しかし領域の主である私は領域内にいる全ての生き物に干渉できて、傷つけること……果てには殺すことが出来る。故に地獄。鬼畜独裁者顔負けだ。


『というわけで、得点は全部もらっていくね。』


伊達メガネを外して、祢々切丸で次々と呪霊を狩って行った。術式の強さをゴリ押しした結果すごくクソゲーになってしまった感が否めない……うう、大人げねー！我ながら大人げないね！！みんな棒立ちで為す術なくだった。言っとくけど楽しくない。罪悪感半端ない。なんかごめんな！！


『まあ、その…………見せ場奪ってごめんな、五条悟くんと、夏油傑くん、だっけ』


「いえ、綺麗なものを見せてくれたので」


「……俺も強くなるし。」


うん、歳上が出しゃばるの良くないね。今度は東京校がお通夜だった。ただ、例外があるとすれば……


「ふざけないでよ！たかが交流会で領域展開とか馬鹿じゃないの！？てか目立つなっつったじゃん！アンタの耳はお飾りか！」


「おい小春！」


「出来損ないのくせに！御門院家の恥のくせに！次期当主様であるこの私を差し置いて強キャラアピール？笑わせないで」


掴まれた胸ぐらは、桜の花びらに紛れた。激昂する妹と、冷静な私という、温度感の激しい二人を止めようとする人は今のところいなさそう。


『そこについてはやりすぎたと思ってる。反省した。次はやんないから許してよ』


「はあ！？ふざけ……」


『そもそも術式持ちを隠せって言ったのは小春でしょう？下手なこと言って立場が悪くなるのは避けたいんじゃないの？』


耳元でそう囁くと、小春は力無く項垂れた。……ほんと、どうして私はこんななのだろうか。

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