再会 ページ10
少し固くなった声が、甲冑の中から聞こえてきた。
「……？はい、間違いないですけど……」
パスいります？と差し出せば、拝見します、と兵士がそれを受け取った。
兵士がそれをじっくりと読み、間違いないとでも言うように軽く頷く。
「……傭兵のA様、ですね。失礼致しました。ただいま迎えの者が参りますので、あちらで少々お待ちください」
「む、迎え……！？」
何やら大事そうな書類にカリカリと書き込んでいく兵士。
冷静になった彼とは裏腹に、私の心臓はドキドキと音を立て始めていた。
え、迎えってなんぞや？何かまずいこと、した？
「お仕事というのは、総統閣下からの御依頼でしょう？幹部様がお迎えに来られる手筈になっていますので、お待ちになっていて下さい」
あ、良かった。怪しい者判定された訳ではなかったらしい。すごいな、こんな所にまで話が行くのか。
ほっと胸を撫で下ろし、兵士にお礼を言って審査所のすぐ脇へとはける。
そうか、お迎えがあるのか……知らなかったな。依頼書に書いてあったのかな。
荷物の横に腰掛け、道行く人々を眺める。
どの人々もみんな笑顔で――良い国なんだな、と素直に思った。
とん、と荷物に寄りかかり、次の行動を考える。
「お城かぁ……」
次に向かうのはお城だったはず。多分迎えがあるのは、迷わないようにというあちら側の配慮だろう。そこでこの国の外交官殿と面接をして、合否発表。
行きに馬車のおじさんから聞いた話だけど、今まで行った傭兵たちはみんなトンボ帰りさせられているらしい。
(だ、大丈夫だろうか……)
うぅ、少し弱気になる。不合格になったら折角だし、少し観光でもしてから帰ろう……。
「――アンタが、傭兵のA？」
俯き加減でそう考えていると、頭の上から明るい声が降ってきた。どうやらお迎えの人が来て下さったらしい。
確か幹部様だと言っていた。くれぐれも失礼のないようにしなければ……！
少し緊張しながらはいそうです、と言いパッと顔を上げる。
そこに居たのは――金と、空色。
「…………えっ」
「……！？あ、お前！！」
陽の光を浴びて輝く金髪に、以前よりもっと大きく見開かれた空色。
「金髪、さん……！？」
「あん時の傭兵！！！」
まさかまさかの、再会です。
-運命とは小説より奇なり-
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ゆう - 返信ありがとうございます！そうなんですね！なんかかっこいい…！！ (2020年2月10日 7時) (
レス) id: 9aa71b1239 (このIDを非表示/違反報告)
悠栞@ゼリー(プロフ) - ゆうさん» 一応「見つけてこい」と「貴方がそれを望むなら」的なことを直訳で言ってもらってます…！翻訳アプリ頼りなので文法的な間違いはおそらくあるかと思われます｡ﾟ(ﾟ´▽`ﾟ)ﾟ｡ (2020年2月9日 22時) (レス) id: 998f9539b4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 小さなお返しの最後の方のロシア語って[...夕食でまた]とかの夕食でまたのところを言っているんですか？((伝わらなかったらすみません (2020年2月9日 22時) (レス) id: 9aa71b1239 (このIDを非表示/違反報告)
悠栞@ゼリー(プロフ) - リズム天国さん» ご返信遅くなり大変申し訳ないです……！ありがとうございます！ (2019年6月8日 9時) (レス) id: 5f4004635c (このIDを非表示/違反報告)
リズム天国 - 面白い (2019年4月8日 23時) (レス) id: 1e030985a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠栞@ゼリー | 作成日時：2018年1月14日 1時
