私を知る人 ページ44
「噂の
「っな、……あ!!」
瞬間、先日の光景が脳内をめぐる。
そうだ、思い出した。この色は――コネシマさんを助けた戦場を、人間離れしたスピードで駆け回っていた緑色だ。
脅威的な体力と、ずば抜けた戦闘センスで有名な"緑の殺戮屋"。
「これから楽しませてな?
……同業者なら、私がその名についてどう思ってるかくらい耳にしているはずでしょうに。
「……その名で呼ばれるのは好きじゃありません。Aとお呼びください、ゾム様」
「なんや様って。そんなんいらんで、堅苦しいわ」
「では緑の殺戮屋さんとお呼びしましょうか」
「……自分、ええ性格しとるなぁ」
「貴方様ほどでは、ないかと」
ごめんて、と大して悪びれた様子もなく笑う彼に抗議の目を向ける。
「じゃあAて呼ばせてもらうわ。その代わり様付け禁止な。……シッマ、どこ連れて行こうとしとったん?」
「訓練所やで!」
「ふぅん……」
またじっとこちらを見つめるゾムさん。何かを思案するようなその間は、にやりと笑ったゾムさん自身に破られた。
「オレもついてこ」
「いやなんでやねん」
「だってAと手合わせしたいねんもん」
コネシマさんのツッコミもどこ吹く風。な?と同意を求めるかのように顔をこちらに向けるが、絶対に嫌だという意味を込めて力いっぱい首を振る。
「私では力不足であるかと!」
「戦乙女なんて大層な名前背負っとってそれはないやろ〜」
「名前負けしてるんです!だから嫌いなんですよこの名前!!」
「名前負けしとるかどうかはオレが決めることやんな?」
必死の抵抗も虚しく、ほらこっちやで〜と先頭を歩くゾムさん。
唖然とする私の肩を、コネシマさんが哀れみを込めた目でポンと叩いた。
-まるで玩具を見つけたように-
*
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ゆう - 返信ありがとうございます!そうなんですね!なんかかっこいい…!! (2020年2月10日 7時) (レス) id: 9aa71b1239 (このIDを非表示/違反報告)
悠栞@ゼリー(プロフ) - ゆうさん» 一応「見つけてこい」と「貴方がそれを望むなら」的なことを直訳で言ってもらってます…!翻訳アプリ頼りなので文法的な間違いはおそらくあるかと思われます。゚(゚´▽`゚)゚。 (2020年2月9日 22時) (レス) id: 998f9539b4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 小さなお返しの最後の方のロシア語って[...夕食でまた]とかの夕食でまたのところを言っているんですか?((伝わらなかったらすみません (2020年2月9日 22時) (レス) id: 9aa71b1239 (このIDを非表示/違反報告)
悠栞@ゼリー(プロフ) - リズム天国さん» ご返信遅くなり大変申し訳ないです……!ありがとうございます! (2019年6月8日 9時) (レス) id: 5f4004635c (このIDを非表示/違反報告)
リズム天国 - 面白い (2019年4月8日 23時) (レス) id: 1e030985a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:悠栞@ゼリー | 作成日時:2018年1月14日 1時