検索窓
今日:4 hit、昨日:19 hit、合計:525,385 hit

私を知る人 ページ44

「噂の戦乙女(ヴァルキュリア)と一緒に戦えるなんて光栄やわぁ」


「っな、……あ!!」


瞬間、先日の光景が脳内をめぐる。
そうだ、思い出した。この色は――コネシマさんを助けた戦場を、人間離れしたスピードで駆け回っていた緑色だ。
脅威的な体力と、ずば抜けた戦闘センスで有名な"緑の殺戮屋"。


「これから楽しませてな?戦乙女(ヴァルキュリア)サン」


……同業者なら、私がその名についてどう思ってるかくらい耳にしているはずでしょうに。


「……その名で呼ばれるのは好きじゃありません。Aとお呼びください、ゾム様」


「なんや様って。そんなんいらんで、堅苦しいわ」


「では緑の殺戮屋さんとお呼びしましょうか」


「……自分、ええ性格しとるなぁ」


「貴方様ほどでは、ないかと」


ごめんて、と大して悪びれた様子もなく笑う彼に抗議の目を向ける。


「じゃあAて呼ばせてもらうわ。その代わり様付け禁止な。……シッマ、どこ連れて行こうとしとったん?」


「訓練所やで!」


「ふぅん……」


またじっとこちらを見つめるゾムさん。何かを思案するようなその間は、にやりと笑ったゾムさん自身に破られた。


「オレもついてこ」


「いやなんでやねん」


「だってAと手合わせしたいねんもん」


コネシマさんのツッコミもどこ吹く風。な?と同意を求めるかのように顔をこちらに向けるが、絶対に嫌だという意味を込めて力いっぱい首を振る。


「私では力不足であるかと!」


「戦乙女なんて大層な名前背負っとってそれはないやろ〜」


「名前負けしてるんです!だから嫌いなんですよこの名前!!」


「名前負けしとるかどうかはオレが決めることやんな?」


必死の抵抗も虚しく、ほらこっちやで〜と先頭を歩くゾムさん。
唖然とする私の肩を、コネシマさんが哀れみを込めた目でポンと叩いた。



-まるで玩具を見つけたように-



*

地に足つけて→←私を知る人



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (378 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1013人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆう - 返信ありがとうございます!そうなんですね!なんかかっこいい…!! (2020年2月10日 7時) (レス) id: 9aa71b1239 (このIDを非表示/違反報告)
悠栞@ゼリー(プロフ) - ゆうさん» 一応「見つけてこい」と「貴方がそれを望むなら」的なことを直訳で言ってもらってます…!翻訳アプリ頼りなので文法的な間違いはおそらくあるかと思われます。゚(゚´▽`゚)゚。 (2020年2月9日 22時) (レス) id: 998f9539b4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 小さなお返しの最後の方のロシア語って[...夕食でまた]とかの夕食でまたのところを言っているんですか?((伝わらなかったらすみません (2020年2月9日 22時) (レス) id: 9aa71b1239 (このIDを非表示/違反報告)
悠栞@ゼリー(プロフ) - リズム天国さん» ご返信遅くなり大変申し訳ないです……!ありがとうございます! (2019年6月8日 9時) (レス) id: 5f4004635c (このIDを非表示/違反報告)
リズム天国 - 面白い (2019年4月8日 23時) (レス) id: 1e030985a7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:悠栞@ゼリー | 作成日時:2018年1月14日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。