二百四十九話 Q ページ2
「ぼくを閉じ込めたお礼に、いっぱい苦しめて壊してあげるね」
「善く憶えているよ。
君ひとり封印する為に、大勢死んだ。結局あの時は、Aが命懸けで君をあやして封印したんだっけ
けど次は封印などしない。
心臓を刳り貫く」
太宰のその言葉にQが動揺することはなく、楽しそうに話しながら列車に乗り込んでいった。
「ふふふ、また遊ぼうね太宰さん☆」
タイミングを呼んだように、そこで列車のドアが閉まる。
太宰は樋口の言葉を思い出していた。
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「闘争を征する為ならば、マフィアは手段を選びません」
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「私も策の清濁に拘っている場合では無い………か。
行くよ敦君」
「………」
太宰がそう声をかけるも、敦は全く動かない。
太宰は敦の前にしゃがみ、敦の腕を持ち上げようとする。
しかしその前に、敦が口を開いた。
「駄目だ……。
僕は駄目だ……、僕はいちゃいけなかったんだ……」
「敦君」
その言葉を聞いた太宰は、一度敦の頬に手を添えると、勢いよく敦の頬をたたいた。
突然の出来事に、流していた涙もそのままに、敦は驚き固まる。
「君から過去を取り上げる権利は私にはない。
だが偶には、先輩らしい助言でもしよう。
自分を憐れむな。自分を憐れめば、人生は終わりなき悪夢だよ」
「………」
「さあ、そろそろ反撃といこう。こちらも手札を切るよ。
三百ある中で一番
太宰のその言葉に、敦が反応する。
太宰は敦に向けてニッと笑った。
「この戦争に、政府機関を引き摺り込む。
そうと決まれば、早速動かなくてはね、A」
『うん』
太宰が起きあがろうとしていたAにそう声をかける。
Aは立ち上がろうとしたが、その途中でむせてしまった。
『ゲホッゴホ』
「大丈夫かい?」
『大丈夫だいじ……』
「A!」
太宰を安心させるように笑って言うが、言葉とは裏腹にAは再び倒れ込んでしまう。
慌てて駆け寄りAを受け止めた太宰が見たのは、Aの手にべっとりとついた赤だった。
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??(???)??(プロフ) - 神作品すぎてここまで読んでしまった……夢主ちゃんどうなっちゃうの!?長生きして欲しい……これからも作者様のペースでよろしくお願いします! (1月9日 21時) (レス) @page23 id: 71a0ede70a (このIDを非表示/違反報告)
花見月 - いつも楽しく読ませてもらっています。アンケートですが、1でお願い致します。 (2021年9月24日 0時) (レス) @page5 id: 216d69af47 (このIDを非表示/違反報告)
びっくりさん(プロフ) - 1がいいです。 (2021年9月22日 21時) (レス) @page5 id: d067fbdc83 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 1が良いです。 (2021年9月22日 18時) (レス) @page5 id: 3b590f766f (このIDを非表示/違反報告)
ヒナ(プロフ) - 個人的には1が良いです。 (2021年9月22日 1時) (レス) @page5 id: 91a3e851e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ark | 作成日時:2021年9月12日 7時