六十五話 Murder on D Street ページ16
ジャキッと重たい音と共に、乱歩に向けられた銃。
それを見たAは、静かに乱歩の前に出た。
「行け敦君!」
「え!?」
「止めろ!」
_____銃が乱歩に向けられてから、一瞬の出来事だった。
太宰は、楽しそうに敦の背を押し、杉本の方へ飛ばす。
敦は混乱し倒れ込んだ。
一方箕浦は、杉本を止めようと大きな声を出す。
結局は、倒れた敦の手が杉本を押し倒し、銃は空に助けて発砲された。
一瞬混乱していた敦だったが、倒れ込んだ時にはしっかりと自分のやるべきことを把握して、杉本巡査を締め上げる。
そんな敦に、投げ飛ばした張本人である太宰は、関心の目を向けた。
『「お、やるねえ」』
まさかのハモリ。
しかし、今はそんなゆるいことを言えるほど、優しい状況ではなかったため、二人ともニコッと笑いあうだけだった。
「放せ!僕は関係ない!」
杉本は、必死にそう言って抵抗する。
しかし、乱歩は困った様子もなく、追い討ちをかけるように言った。
「逃げても無駄だよ。
犯行時刻は昨日の早朝。場所はここから140米上流の造船所跡地」
「なっ何故それを……!」
ニヤリと笑った乱歩に、杉本巡査は焦ったように声を上げた。
「そに行けばある筈だ。君と、被害者の足跡が。消しきれなかった血痕も」
「どうして……バレるはずないのに……」
絶望に沈む杉本巡査の表情。
そんな杉本巡査の肩に、箕浦は手を置いて声をかけた。
右手には一組の手錠が。
「続きは職場で聞こう。
お前にとっては……元職場になるかも知れんが」
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ark(プロフ) - あきあきさん» ありがとうございます!そう言って貰えて嬉しいです!!これからもよろしくお願いします! (2021年2月28日 5時) (レス) id: 875b3ab9f7 (このIDを非表示/違反報告)
あきあき - 最初から読ましていただきました!すっごく面白いです!原作+夢主のかけあいとかが好きです!頑張ってください! (2021年2月28日 4時) (レス) id: 2068c5b889 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ark | 作成日時:2021年1月17日 22時