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壁一面にポケモン関連の本。
如何にも研究所という感じであった。
「ちょっと今手が放せないから、ホップお客さんにお茶出しといてー！」
「ソニアのやつ、人使いが荒いんだぞ」
手馴れた様子で紅茶を用意するホップくんを見て、いつもああなのかなぁと思う。
奥の方でちらちらと見える橙色の髪をぼーっと眺める。
しばらくするとソニアちゃんはワンパチを連れてパタパタと走ってきた。
「ごめんなさい、少し資料をまとめて……って」
私の姿を見るなり、持っていた紙を手放し、勢いよく抱きついてきた。
応えるようにソニアちゃんの背中に手を回す。
「夢じゃない……？ホントに……、ホントにA？」
『覚えててくれて嬉しいよ、ソニアちゃん。久しぶりだね』
「そりゃ覚えてるわよ！！もう……！来るなら言ってよ〜！」
目に涙を浮かべて、私の肩をバシバシと叩く。
ホップくんが淹れてくれた紅茶が冷めちゃうよと言うと、慌てて紙を拾い集めて、席に着いた。
「いつこっちに来たの？」
『昨日の夕方頃ね。本当はすぐ会いたかったのだけれど……フライトの時間が長くて疲れちゃって、そのまま寝てしまったの』
「私なんてAとはもう会えないって思ってたから、今こうして話せてるのすっごく幸せ！」
ぱあっと花が咲いたように笑う顔にはまだあどけなさが残っているような気がして、懐かしく感じた。
「そういえばダンデくんにはもう会った？Aが来てるの知ったら、仕事放り出してすっ飛んで来るよ」
『ホップくんからダンデくんは忙しくて、家にも帰ってないって聞いたよ』
「トーナメントが近いからだぞ」
「あ〜、納得。でも、Aがいるんだよ？何とか時間作ってくれるでしょ」
ソニアちゃんがメッセージを送信すると、10秒も経たないうちにダンデくんからテレビ電話がかかってきた。
どれどれと画面を覗き込んでみると、特徴的な髭を除けば、昔と何ら変わらないダンデくんが映っていた。
誰がこんなベビーフェイスのまま育つことが想像できただろうか。
『久しぶりだね、ダンデくん』
大きく見開かれた
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作者名：くるとん | 作成日時：2023年2月24日 20時
