138 経緯説明�� ページ39
最近学園に行ってないために、天女が来ていたことすら知らなかったと雑渡は話し、「君はいつ頃来たんだい？」と天女に尋ねた。
「ひと月ほど前です」
「けっこう前だね。じゃあ、今まで彼らから何も連絡がなかったとなると、君は問題ないと見て良さそうだね」
保健委員会が『天女の妖術にかかっているだけだ』とこの場にいる誰かが言えば、彼は天女を警戒し敵だと見なすことだろう。だが、図書委員会の面々は何も言わなかった。
少々驚いた様子で、彼らを見ると中在家は小さく頷いて見せた。
「もそ……まず初めにどのような状況か、詳しくお聞きしても？」
雑渡は監視の一人を呼び出し、彼が説明してくれると言い先ほどの家に戻っていってしまった。
「あー……諸泉尊奈門だ、組頭の命によりお前達の監視と案内役を賜った」
「あっ、もしかして土井先生にいつもやられてる──」
「やられてなどいない！！ただ運が悪かっただけだ！」
きり丸と怪士丸が、そうだっけ？そうだったかな？と首を傾げていた。まず、土井が戦っているところすら見たことのない天女は戦闘風景が想像つかなかった。
諸泉の後に続き、畑の横を歩いていく。
「ここは日暮村近くの高台だ。最近農作地にするために開拓された」
「村の人たちはずっとここを使ってなかったんですか？」
そう不破が尋ねると、諸泉はやはり日暮村の人々はここを使えない土地だという共通認識を持っていたのだと話した。
「まあ、それが合ってたわけだが」
「なら、どうしてここを耕したんですか？」
今度は久作が聞くと、「もちろん食料を増やす為だ」と言った。
「主に飢饉への備えだが、戦への備えでもあるな」
平然とした様子でそう答え、「どう受け取るかはお前ら次第だ」と諸泉は少し視線を図書委員会に向けたが、すぐに畑に戻した。
「もそ……なるほど」
上級生二人は一切動揺しなかった。下級生の三人も少し顔を強張らせた程度だ。忍者の卵からすればよくある話なのかもしれない。それほどに戦というものが近い存在なのだろう。
天女にとっては逆だ、戦──戦争はあまりにも遠い。だからこそ、何も反応しなかった。
「でも、そこまで話していいんですか？」
「言っただろう。主に飢饉の時のためだ」
その前に戦が起こるなら戦場地での食糧になる、それだけのことなのだと言う。
「それに、忍術学園とてタソガレドキと本格的な対立関係にはなりたくないだろうしな」
「もそ……それはそうですね」
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和三盆(プロフ) - 飴玉くんさん» ありがとうございます〜！タソガレドキは毒を入れないとは二人も分かっているけど、上級生が毒味するのはあまりにもリスクが高く、下級生はもってのほか。なので、彼女がやるのが一番なんですよねぇ。 (3月30日 20時) (
レス) id: 3efe28aec7 (このIDを非表示/違反報告)
飴玉くん - 毒があるかもしれないおむすびを食べるなんて男気に溢れていますねぇ！今回の作品もとても好きです！！！ (3月30日 0時) (レス) id: bc84786978 (このIDを非表示/違反報告)
和三盆(プロフ) - 凡人様さん» ありがとうございます！！楽しんでいただけるよう頑張ります！ (3月13日 17時) (レス) id: 3efe28aec7 (このIDを非表示/違反報告)
凡人様(プロフ) - すっごく面白くて最新話まで読み終えちゃいました！！夢主さんが誰にも靡かないで逆に利用してやる！！って感じのずる賢いところがとっても大好きです✨このシリーズが長く続きますように🕊️ (3月12日 5時) (レス) id: 2ec7772a57 (このIDを非表示/違反報告)
和三盆(プロフ) - 飴玉くんさん» ありがとうございます！彼女は立場も力も弱い人間なので、ずる賢く生きる必要があるんですよねぇ。 (3月5日 17時) (レス) id: 3efe28aec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和三盆 | 作成日時：2023年12月8日 15時
