122 あいにくと雨のようで�� ページ23
根気よく食堂の裏口で食べている天女だが、それは雨の日には適用されない。それでも、朝と夕は時間をずらせばいいだけだ。食堂のおばちゃんも了承してくれている。
しかし、昼間だけはそれができない。それでも小松田や吉野と食べるために問題はないが、彼らがいないとなると食堂に全く行きたくなくなる。
「ですが、食べないと午後に響きますよ」
そう小松田のドジによって散らばった大量の書類を拾いながら言う吉野。天女が手伝うと言ったのに、食事を優先してくれと言うのだ。
「これは僕のドジなので、榎本さんは食べてきてください……」
三人で片付けた方が早いのでは、と言いそうになったが、天女はその言葉に頷くと食堂に向かった。
食堂に入った途端、一気に空気が変わった。小松田や吉野が一緒にいる時、生徒達は気にしないようにしていたが、彼らがいないとなると事情が変わるらしい。
おばちゃんだけがいつもと変わらない。
「今日は一人なの？小松田くんたちはどうしたの？」
「小松田さんがドジってしまって……吉野先生と片付けを」
「あらあら、少し残しておかないとね。どっちにする？」
「Ａセットでお願いします」
殺気だとか敵意だとか、目の前にしていれば少し分かるが、背後からの視線じゃ全く分からない。見られているとしか、天女には分からなかった。
「お待ちどうさま！」
「ありがとうございます」
天女が食堂での食事を好まないのは、目立つからだ。殺気を向けられるからではない。食べているところさえもじろじろと見られ、ひそひそと話される。この上なく鬱陶しい。
席を探していた天女に、誰かが声をかけた。
「まさか食堂にいらっしゃるなんて。一緒に食べませんかぁ？」
驚いたことに、それは綾部だった。
「席、僕の隣しか空いてないですし」
彼女を殺そうとした張本人だが、もうそんな気はないようだ。
彼の言う通り、他の席は埋まっていた。食堂の向こう側で、無理に奥に寄って席を開けようとする善法寺の姿は見ていないことにした。
「では、お隣失礼しますね」
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和三盆(プロフ) - 飴玉くんさん» ありがとうございます〜！タソガレドキは毒を入れないとは二人も分かっているけど、上級生が毒味するのはあまりにもリスクが高く、下級生はもってのほか。なので、彼女がやるのが一番なんですよねぇ。 (3月30日 20時) (
レス) id: 3efe28aec7 (このIDを非表示/違反報告)
飴玉くん - 毒があるかもしれないおむすびを食べるなんて男気に溢れていますねぇ！今回の作品もとても好きです！！！ (3月30日 0時) (レス) id: bc84786978 (このIDを非表示/違反報告)
和三盆(プロフ) - 凡人様さん» ありがとうございます！！楽しんでいただけるよう頑張ります！ (3月13日 17時) (レス) id: 3efe28aec7 (このIDを非表示/違反報告)
凡人様(プロフ) - すっごく面白くて最新話まで読み終えちゃいました！！夢主さんが誰にも靡かないで逆に利用してやる！！って感じのずる賢いところがとっても大好きです✨このシリーズが長く続きますように🕊️ (3月12日 5時) (レス) id: 2ec7772a57 (このIDを非表示/違反報告)
和三盆(プロフ) - 飴玉くんさん» ありがとうございます！彼女は立場も力も弱い人間なので、ずる賢く生きる必要があるんですよねぇ。 (3月5日 17時) (レス) id: 3efe28aec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和三盆 | 作成日時：2023年12月8日 15時
