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プロローグ的な1話 ページ2

『ぎ・ふ・チャン♪ ぎ・ふ・チャン♪ チャンネルは〜♪』






ギフチャンのテーマソングを歌いながら、黒いエプロンの男は店内にある時計を確認する。

現在午後2時。

あの人が来る時間だ。








カランカラン……………







店の扉につけているベルが鳴った。





「こんにちは、日替わりランチを頼めるかな?」



決して広いとは言えない店内に、心地良い低音が響く。



『かしこまりました!本日もお越しいただきありがとうございます、







神宮寺様!』




元気の良い返事に寂雷は柔らかな笑みを返す。




「いつもこの時間に来ておいてなんだけれど………開店時間ギリギリじゃないかい?バイトの時間もあるだろう、無理させていたら悪いと思ってね……」


『全然!神宮寺様と話せるの嬉しいですし!

この店自体も好きでやっとるので!』




そう応えながら、エプロンの男、Aはカウンターの後ろへまわる。

髪を一つに縛り、手を洗ったらテキパキと料理を開始した。









『お待たせいたしました!

 今日のメニューは〜…鮎の定食です!鮎はギフで有名な魚なんですよ〜』


「へぇ!おいしそうだね。いただきます。」


『あ、そうや。お客様にこんなこと言うのはあんま良くないかもやけど…

 前に納豆が安くなってて、すごい量を買ってしまって…。よろしければ使います?』


「いいのかい?ならもらおうかな」


『はい!少しお待ち下さいね』



ひとつ結びにした髪が厨房のほうでぴょこりと揺れた。

それを寂雷は微笑ましく見守る。




『そうだ神宮寺様、この前すごく面白くて優しい人が来てくださったんですよ!』



納豆のパックを差し出しながら、Aはニコリと笑った。

しかし、その眉が心配そうにひそめられる。



『でも、ほとんど深夜って感じの時間だったし、何より隈がひどくって…

 多分仕事で疲れていらっしゃると思うんですけど、何かいい食材ってありますかね?』



「一般的な答えで申し訳ないのだけれど、しょうがとかが良いんじゃないかな?

 体が温まるからね」


『なるほど…』















平日の午後、外の世界から切り取られたように、この店ではゆっくりと時間が流れる。


もう少しだけ時が進むと、いつのまにやら騒がしくにぎやかな店になっていることを、Aは知らない。











ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

※次回からはバリバリのギャグになります※

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作者名:和亀 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nekoizumiha/  
作成日時:2023年5月28日 16時

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