13、結局徒歩 ページ13
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気まずい車内。誰も一言も話さなかったのに、隣の五条さんの視線が突き刺さるほど痛かった。
突然目隠し外して凝視されている。
すんげえな、この人。イケメン。
『…七海、隣の人にすごく見られすぎて穴空きそう。』
「見られただけでは穴は空きません。五条さんはそういう人です。我慢して下さい。」
『…どういう人よ、、』
堅物め。冗談通じないんだから。
五条さんは初対面の人をビビらすぐらい見る、と。覚えておこう。
『…そんな見ないでくれますか?なんか付いてますか。』
「え〜?付いてるよ?もしかして術式もってたりする?」
キーッと止まる車。
その言葉に伊地知さんが急ブレーキを踏んだ。
あっぶねぇな、運転手失格だぞ!
「君さ、変なもの見えたりしないの?」
『……七海私歩いて帰りたい。』
「ビビってんの?大丈夫。僕も見えるから。」
いつからだろう、周りの人には見えていないモノが見えるようになったのは。
心霊スポットと呼ばれるところに行っても実際何もなかったり、かと思えば病院や学校ではたくさん見えた。
この間の通り魔も、マンションのエントランスにいたやつもそう。
「伊地知、このまま高専帰れ。」
『高専…?』
「そ。今から一緒に行くよ。」
『…七海私明日も早いんだけど。』
「……。」
シカトかよ。後部座席から手を伸ばして七海の髪を引っ張った。
『か!え!り!た!い!』
「…今日は帰りましょう。伊地知くん彼女の家までお願いします。」
「ダメダメ、高専に行こう。伊地知。」
「伊地知くん。」
伊地知さんは冷や汗をかいてどうしようという顔をしていた。
帰る一択の私はそのまま車から降りて歩いた。
明日も早朝出勤なんだ、こんな遊びに付き合ってられるか。
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さしす - とっても面白い!! 続きがきになる〜! 応援してます! (2022年5月26日 9時) (レス) @page49 id: 9bbdd85770 (このIDを非表示/違反報告)
森 - 作り込みエグいですね!いいなー! (2022年2月20日 14時) (レス) @page33 id: d826e852a9 (このIDを非表示/違反報告)
くまこ(プロフ) - emiさん» そう言ってもらえてすごく嬉しいです!ありがとうございます。もうすぐ続編へと移行しますが、そちらでもどうぞよろしくお願いします! (2021年9月25日 11時) (レス) id: 1b6f6e5afa (このIDを非表示/違反報告)
emi(プロフ) - このお話の雰囲気最高に好きです…七海と夢主ちゃんとの距離感も自然で素敵、時間がゆっくり流れてる感じがして読んでいると心が癒されます…お身体に無理のないよう更新されてください!楽しみにしております! (2021年9月25日 0時) (レス) @page43 id: 9ba5ed02ee (このIDを非表示/違反報告)
くまこ(プロフ) - ぬぬ@とかげさん» コメントありがとうございます! (2021年9月15日 16時) (レス) id: 7ddd39ac99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くまこ | 作成日時:2021年8月27日 14時