初めての ページ10
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呆れて物も言えないとはこのことだ、と出て行ったドアを見つめていると後ろから声をかけられた
「ありがとう！」
「殴られるとこだった、助かったよ」
お礼を言うのはこっちの方だというのに、笑顔でお礼を言われて少し頬が赤くなる
「…いや、こちらこそ」
少し目を逸らしながら言うと茶髪の子の手が私のそれに触れる
「さっきのようなこと、前もあったの？」
自分のことのように悲しい顔をする彼女に少しばかり驚く
「あ、いや…大丈夫だよ、ありがとう。…えっと」
名前を呼ぼうにもいかんせん初対面なので名前がわからない
「あっ！ごめんね！私は笹川京子！京子って呼んでね！」
「まったく京子は…私は黒川花よ、花って呼んで」
「私は七瀬A。Aって呼んでね、よろしく」
茶髪の可愛い子が笹川京子ちゃん、黒髪の美人の子が黒川花ちゃんというらしい
なんとも容姿に合ったいい名前である
そして、さっきの言動に合ったような2人ともキラキラ温かい色をしている心を持っている
(この世界にもこんな心を持ってる人いるんだ)
思わず目を細めて2人を見る
「でも、もう大丈夫だよ！今度からは私たちがいるから！ねっ花！」
「そうね。私たちがあんなこともう言わせないわ。私たちはAの味方よ」
笑顔で私の頭を撫でる京子ちゃんと花ちゃん
記憶が、廻る
『かあさんたち、またか』
『おまえはおれのいもうとだ』
『きもちわるくなんかないよ』
『だいじょうぶだ、おれは＿＿＿』
＿＿＿＿おまえの、みかただ
思い出すのは前の私の兄
2人の言葉が、行動が、重なる。重なる
親にも気持ち悪いと言われて、粗末な扱いを受けていた私の初めての味方
いつも私を助けてくれた、大好きな人
思えば、少し秀次くんに似ているかもしれない。だから好きになったのかも
目頭が熱くなる
「っありがとう」
私が今できる最大の笑顔で
(思った通り！可愛い子！)
(笑うと普通に可愛いじゃない)
親以外で初めて私を認めてくれた彼女たち
この世界での初めての友達
彼女たちが私の味方になってくれるなら、私は＿＿＿＿
どんなことをしても
私の持てる限りのすべてで＿＿＿＿
彼女たちに降りかかるすべてから守ろう
(前の世界で生身の戦闘も訓練しておいてよかった)
いじめっ子から自分の身を守れるようにと、兄さんが力のない私でもできる合気道を教えてくれた
ありがとう、兄さん
(13年越しの、想い)
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- 金 運: ★☆☆☆☆
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神谷 - ( ；∀；)いつの間にか終わっててビックリしました。前回の作品ももちろん、この作品もなんかグッときます。もし、また更新されるのであれば気長に待ちますね。fight！ (2017年11月1日 14時) (
レス) id: d28aadfc84 (このIDを非表示/違反報告)
みほし(プロフ) - ねこみやさん» ありがとうございます！頑張ります(°▽°) (2017年2月22日 13時) (レス) id: 6a5e647981 (このIDを非表示/違反報告)
ねこみや(プロフ) - すっごく面白かったです。更新待ってます(￣∇￣) (2017年2月20日 21時) (レス) id: 859d9ae854 (このIDを非表示/違反報告)
みほし(プロフ) - いちご大福さん» ありがとうございます( ^ω^ )頑張ります！ (2017年1月4日 22時) (レス) id: 6a5e647981 (このIDを非表示/違反報告)
いちご大福(プロフ) - とても面白いです！更新頑張ってください！ (2017年1月4日 22時) (レス) id: 0d94ff763d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みほし | 作成日時：2016年9月19日 23時
