163.塞がれる。 ページ13
「えっ...Aちゃん？」
止めようとしても止められない涙を両手でゴシゴシ拭う私に、拍子抜けする相葉くん。
拭っても拭っても溢れ出てくる涙に苛立ちを覚えて、さっきよりももっとゴシゴシ拭うと
「ちょっと！」って相葉くんが私の両手首を掴んで動きを制した。
「そんなにしたら目が腫れちゃうから」
そう言った相葉くんは、優しくフワフワ撫でるように私の涙を拭った。
驚きのせいか、もう涙は止まっていた。
「どうしたの？急に泣いちゃうなんて...」
「...優しすぎるんだよ...」
「優しすぎる？」
「だって私...相葉くんにたくさん迷惑かけたのに...」
考えてみれば、二宮さんとの事だけじゃない。
智さんと同様に、櫻井さんや華代さんとの事だって、随分と迷惑をかけてしまった。
だからこそ、ここまで優しくしてくれる相葉くんが分からない。
「迷惑とか思った事ないよ」
「...嘘だよ...」
「嘘じゃないって。こんな時に嘘なんて付けないよ」
「......」
「前にも言ったけどさ、Aちゃんはオレの大好きな仲間なの」
フワリ、と笑う相葉くん。
「だから迷惑じゃない。そうやって頼ってくれて嬉しいんだよ？」
...馬鹿だなぁ、相葉くん。
そんな事言われて、泣かない人なんて居ないのに。
ジワァ...と目頭が熱くなる。
「あ！泣いちゃ駄目だってば！」
今にも泣きそうな私に気が付いた相葉くんが、泣かないように私の目を大きな右手で塞いだ。
「...変な止め方...」
「うん？」
「...何でもない、フフッ」
クスクス笑う私に対して、「何だよー」って拗ねる相葉くん。
何かもう、それだけで楽しくて。
同期の友達って大切だな、なんてニヤニヤしていると。
声が、聞こえた。
「君たちは、何をしてるのかな？」
愛しい人の声が、聞こえた。
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早咲(プロフ) - 吉沢さん» 大好きと言って頂けて本当に嬉しい限りです！ノロマ更新ではありますが、これからもよろしくお願い致します★ (2017年2月28日 20時) (
レス) id: e21b3fe696 (このIDを非表示/違反報告)
吉沢 - この、作品大好きです。 これからも頑張ってください! (2017年2月24日 8時) (レス) id: f6e11fac32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早咲
| 作成日時：2017年2月19日 23時
