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冴「大きな不幸を目の当たりにしてみんな不安になってるから。・・・・そういう時、誰かがその不安に気づいてあげてほしい」
雪「それが私ってことですか」
冴「医者やその他のスタッフもみんな張り詰めてる。そういう時、あなたの顔を見るとみんなが安心する。雪村さんにはそういうナースになってもらいたいの」
私も昔は雪村さんのような考えを一時期持っていた。
だけど、Aが教えてくれた。
どんなに優秀な医者でも不安にならないことはないって、
そんなときあたしの顔をみたらなんか安心するって。
冴「焦らずに、成長していってほしい」
雪村さんに限らずだけど・・・。
A大丈夫かな・・・。自分を追い込んでなきゃいいけど。
＿＿＿＿＿＿＿＿
橘ｓｉｄｅ
環奈と優輔を花火が見える所に連れだす。
橘「あ〜いい風だぁ。気持ちいいな」
環奈と顔を合わせ、笑顔でと合図する。
環「あ、見てあそこ。見える、ほら」
優「え？どこ？」
環「ほら、あの大きいマンションの左」
少しだけど花火が見える。
嬉しそうに喜ぶ優輔。
橘「お〜結構次々にあがるんだな」
マンションで全部は見えない。
だけど、綺麗だ。環奈とそう言っていると突然、優輔が泣き出す。
優「・・暁人と一緒に見たかったなぁ」
・・・・。
優「ごめん、泣いちゃだめだよね。心拍があがっちゃう」
泣くことも、躊躇してしまう優輔。
環「そうよ、泣いちゃダメ。・・・でも無理かな〜優輔は花火見ると泣いちゃうからね」
優「え？」
環「だってほら、小学校入る前、館山の花火大会行ったとき」
橘「あ〜そうだったな。あんとき優輔、ぎゃあぎゃあ泣いてさ」
環「花火の音が怖いって帰ろ帰ろってずっと泣いてたっけ」
橘「お前は今でも怖いんじゃないのか」
優輔をちょんちょんってすると怒った表情になる。
優「もう、怖くないよ。怖いわけないじゃん、なんだよ二人して」
環「あははは、怒った怒った、可愛い」
笑う環奈をみてよかったと、笑ってるお母さんがいいって、
橘「ずるいよな〜お母さんは。ちょっと笑っただけでさ、優輔に喜んでもらえるんだから」
優「だってお父さん、いつもヘラヘラ笑ってるから」
橘「なんだよそれ〜ひでーな」
こんな、なんでもない会話をこの先もずっとしていたい。
優輔が大人になるのも見たい。
そう、花火が上がっているのをみながら思うんだ。
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作者名：隆佳 | 作成日時：2017年9月23日 22時
