成長 ページ22
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「やっほーA、今平気?」
夜、自分の部屋でのんびりしていると五条先生の声がきこえた。
どうやら部屋の前にいるらしい。
扉を開けると予想通りの人物が、オフの格好でサングラスをかけた状態で立っていた。
『どうしたんですか?』
「ちょっと頼み事があってさ。
A映画鑑賞好きだったでしょ?円盤あったら貸してもらえないかな」
ああ、と納得して部屋に招き入れる。
どれがいいか選んでもらおうと、おすすめの映画を何本かその場に並べた。
『どんなのがいいですか?どれでもいいですよ』
「ちょっと長い期間貸りるかもしれないから、Aが貸せるやつでいいよ」
『今だったら交流会のしごきで忙しいんで、どれでも大丈夫です。
でも先生が映画見たいだなんて珍しい』
「今鍛えたい子がいてね。
ほら、Aにもやったっしょ?呪力制御の映画鑑賞」
そう言われて思い出すのは、私がまだ中学生のころ。
呪力を安定させるために、色んな映画を見て感情に左右されないようにする訓練をしたのだ。
「ほんと、Aってば超強い術式持ってるのに呪力操作下手くそだったもんね〜!
学長の人形に何度叩かれてたことか!」
『ッな、そんな笑うことないでしょ!!』
「いや〜、写真撮っておけばよかった!」
あの時も爆笑されてムカついたけど、今になって蒸し返されても尚更ムカつく!
手元にあったポールペンを投げつけるも、無限によって阻まれて床に落ちていく。
『無限とけや!!』
「やだ。
それより女の子なんだからそんな言葉使わないのー」
『誰のせいだと…!』
「まあまあ」
ポンポンと頭を撫でるその手は、頭にしっかりと触れていた。
昔みたく優しく楽しげな笑みを浮かべる先生を殴ることは出来ず、されるがままでそっぽを向いて誤魔化す。
『まぁ……忙しいなか私の特訓に付き合ってくれたおかげでマスターできたから良しとする』
特級である五条先生は忙しい。
にもかかわらず、あの時教えてほしいというお願いに嫌な顔せず頷いてくれた。
「…成長したね。今じゃ呪力操作は学生1だ」
『っほんと!?』
「ほんと。学生で反転術式できるのは本当にすごいよ」
流石、僕の自慢のかわいい生徒だ。
ニッと笑いながらの言葉に頬が緩む。
面と向かって褒めてもらえたのは久しぶりで、どこか照れ臭さが隠せない。
その様子を見ていた五条は、慈愛に溢れた表情でAを見つめていたのだった。
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れおすけ(プロフ) - ちーさん» ありがとうございます!!!笑 また更新頑張ります!! (2021年11月10日 0時) (レス) id: 62ab6277f9 (このIDを非表示/違反報告)
ちー - 好きです!笑 (2021年11月9日 12時) (レス) @page38 id: ca5a92bd63 (このIDを非表示/違反報告)
れおすけ(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメントありがとうございます!オチは自分の中でも未定ですので、今後も応援してくれるとうれしいです! (2021年4月19日 14時) (レス) id: 424d22639a (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - れおすけさん初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年4月19日 9時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れおすけ | 作成日時:2021年4月14日 23時