深愛 〜凛とした強さで〜 ４

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−広臣side








…帰宅してからも、相変わらず俺の心は混乱していた。








『まどかちゃんに電話してみよう』と試みるも…



発信をタップできず、躊躇する。








‘元カレの親友だから話せない’



そんな彼女のプライドを傷つけたくはない…。








…その一方で、



(A、どうしてるかな…)



なんとなくAが気にかかり、迷わず彼女に電話をかけた。








pull...



pull...









A『…はい』



広臣「もしもし。A？今、なにしてた？」



A『今？ボーっとしてた(笑)』



広臣「(笑)」








(やっぱり…元気ない…)



隆二と距離を置いてからは、誰に対しても無理に明るく振る舞っている。








…つくづく正直者だ(笑)。








広臣「仕事は？」



A『…あるよ』



広臣「そっか…。頑張って(^^)無理しない程度にね」








A『ありがと(^^)今日は来ないの？』



広臣「…うん。近々また行くから(^^)」



A『わかった。待ってる(^^)』








彼女の言葉を最後に、電話を切る。









未だに理解しきれていない…



ヤツが言った最後の言葉。



隆二(回想)「…お前がAのこと守ってやって。俺の代わりに(^^)」








(…まだ脈はある、ってことか…？)



縁起でもないことを考えてしまう…。








ヤツから奪ってまで、Aを手に入れようとは思わない。



…今でもその気持ちに変わりはない。



変わりはないけど…








心のどこかで、二人の関係が壊れることを望んでしまっている自分がいる。



だって…



それほど、彼女を愛しているから…。









隆二がまどかちゃんを放っておけないように、



俺もAを放っておけない。



だからこそ、きちんとけじめをつけなければ…。








…俺は、由衣に電話をかけた。

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